2012年6月議会・代表質問(6月15日)

2024-02-14

農業問題について

そこで、改めて知事にお尋ねします。

第1に、戸別所得補償制度の開始から、今日まで、本県における営農組織の法人化が、どのように推移しているのかお聞きします。

第2に、戸別所得補償制度が、果たす生産調整機能、規模拡大、担い手形成に対する政策効果などを、総合的にみて、知事が戸別所得補償制度を、どのように評価しているのかお聞きします。

次は、「人・農地プラン」の策定と青年就農給付金制度に関するものです。

国は昨年10月、「わが国の、食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」を決定し、この中で土地利用型農業では、「徹底的な話し合いを通じた合意形成により、平地で20〜30ヘクタール、中山間地で10〜20ヘクタールの、規模の経営体が全体の8割程度を占める農業構造を目差すこと」を方針としました。

しかし、北海道を除く、2009年時点での、全販売農家のうち、5ヘクタール以上の農家は、わずか4%であることから、この目標を達成するには、相当な時間と努力を要すると思います。また現状は、担い手の高齢化と不足、耕作放棄地の増加などの「人と農地」の問題を抱え、5年後、10年後の展望が描けない、地域や農業集落が増えていると聞きます。

このため、国は今年度から、地域や農業集落が抱えている「人と農地」の問題を解決するための基本的なプランである「人・農地プラン」を、今後2年程度で、問題を抱えるすべての市町村、集落で策定することにしています。

このような、地域農業の将来をプランとして描く試みは、これまでにもあった、地域農業づくりの手法だと思いますが、今回の「人・農地プラン」の策定にあたっては、政策の実効をあげるために、「農地集積協力金」と「青年就農給付金」という交付金・給付金制度が、新設されたことが、これまでとは異なる特徴となっています。

「農地集積協力金」は、「人・農地プラン」実現のために貸付などによって、農地集積に協力する「農地の出し手」に1戸あたり、30万〜70万円の「協力金」を交付するものであり、また「青年就農給付金」は、農家・非農家を問わず、「人・農地プラン」に位置づけられるか、または位置づけられると見込まれる45歳未満の新規就農者に対し、農業研修期間から、経営が定着するまでの、最長7年間にわたり、年間150万円を給付するものです。

これらの交付金・給付金制度は、戸別所得補償制度と、組み合わせて活用されるもので、農業経営の安定と、農村コミュニティーの維持に軸足を置く、戸別所得補償政策を基盤に、農地の集約や、若手農業者の育成による「農業構造」の改革を、強力にあと押しする役割が求められていると考えます。

本県においても、この事業は今年度、農業者戸別所得補償制度、関連事業、若者の農業参入定着支援事業として、取り組まれることになっていますが、戸別所得補償制度による、経営安定化策や、規模拡大加算、集落営農の法人化支援策に加え、この両事業が始まることによって、相乗効果が高まり、農地の集積や、若者の農業参入が拡大し、地域や集落で、持続可能な農業が確立されることが期待されます。

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