2012年12月議会・代表質問(12月7日)_3

2024-02-14代表質問:中村誠治 議員

社会資本の維持・管理について

次に社会資本の維持・管理についてお尋ねします。
道路や空港、港湾、下水道などの社会資本は、日常生活や経済活動の基盤として、大きな役割を果たしています。しかし、これらの社会資本は、高度成長期に集中的に整備されたことから、間もなく集中的に更新時期を迎えることになります。2010年に公表された「国土交通白書」では、2011年度からの50年間に必要となる社会資本の更新費は、国と地方を通じて約190兆円に上るとの推計結果が明らかにされるとともに、現状のまま推移すれば、社会資本の維持管理・更新に要する費用の増大が、社会資本の新設投資を大きく制約し、新設投資ができなくなる可能性があることが指摘されました。

社会資本のうち、道路ストックの現状をみると、2005年4月1日現在、国内の道路の実延長は、高速自動車国道から市町村道までを合わせ、約119万キロメートルありますが、この実延長の管理主体別割合は、高速道路公社が0.6%、国が1.9%であるのに対し、都道府県管理は13.5%、市町村管理は84.0%となっています。また同じく橋梁は、国全体の総数の19.2%が都道府県の管理、76.7%が市町村の管理となっており、道路の適切な維持管理・更新を図る上で、地方自治体が果たすべき役割が、極めて大きいことがわかります。そこで。

1点目に、今後の社会資本整備については、厳しい予算制約の下で維持管理・更新投資が拡大することが明らかですが、その中で、適切な維持管理・更新と、新たなニーズに対応した新規投資を行っていかなければなりません。そこで、今後の本県の社会資本整備のあり方として、維持管理・更新投資と新規投資をどのようなバランスで行なっていくかが、重要な課題となると思いますが、本県で「長寿命化計画」を実施した場合、維持管理・更新投資と新規投資は、どのような割合になると、予測されるのか、道路整備を例に、知事の考えをお聞きします。

2点目に、今年4月時点で国交省が、長さ15メートル以上の橋梁を対象にした調査では、都道府県管理と市町村管理を合わせ、前年同期よりも77ヶ所多い、1378の橋梁で通行止めや通行規制が行なわれているとの、老朽化の進行を伺わせる結果が出ています。そこで、本県では橋梁の老朽化にともなう、通行規制がどのような現状にあり、どのような改修計画が立てられているかお聞きします。

3点目に、橋梁について国交省は、補修予定などを盛り込んだ「長寿命化修繕計画」を策定するよう、全国の自治体に求めています。国交省の今年4月のまとめによると、本県では県と両政令市で「長寿命化修繕計画」が策定されているものの、政令市以外の県内市町村の策定率は33%にとどまっています。また、この「計画」に基づく本県での修繕実施率は、県が50.4%、両政令市が23%となっていますが、政令市を除く県内市町村の実施率は、わずか0.7%で、大きく遅れている現状にあります。道路網は高速自動車国道から市町村道までが、一体的なネットワークとして機能を果たしており、仮に適切な維持管理を欠いた場合、本来の機能を果たせなくなる恐れや、事故の発生などが懸念されます。

そこで、県内市町村での取り組みの現状について、知事がどのように認識されているのかお聞きします。また、県として市町村での「長寿命化修繕計画」の策定と、それに基づく修繕の実施について、積極的に支援していく必要があると思いますが、このことにどのように取り組むのか、知事の考えをお聞きします。

4点目に、県が管理主体となる社会資本ストックには、道路施設以外にも河川施設、港湾施設、公園、下水道、庁舎や教育施設などの公共施設があります。本県では、道路施設に関して、2007年に、「道路施設維持管理基本計画」を策定し、従来の損傷後に修繕するという「事後的維持管理」から、大規模な修繕が必要となる前に、対策を講じる「予防保全型維持管理」への転換をはかり、施設の長寿命化とライフサイクルコストの縮減、毎年度ごとの維持管理費の平準化を図っています。

そこで、道路施設以外の公共施設についても、こうしたアセットマネジメントの考えを取り入れた「長寿命化計画」を早期に策定すべきだと考えますが、本県では現在、社会資本ストックのうち、具体的にどのようなものについて、「長寿命化計画」が策定されているのか、また策定していないものについては、どのような対応を考えているのか、「長寿命化計画」策定の現状と、今後の対応についてお聞きします。


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