2013年2月議会・代表質問(3月5日)_5

2024-02-14代表質問:岩元一儀 議員

環境問題について

次に、環境問題について、二つの課題にわたり、お尋ねします。
一つ目の課題は、中国からの大気汚染の越境問題についてです。
中国の大気汚染が深刻化し、汚染物質が風で運ばれ、本県にも影響を及ぼしています。
わが会派は2007年に、中国からの大気汚染物質の移流が原因で、本県では10年ぶりとなる「光化学スモッグ注意報」が出されたことから、この問題をその年の9月議会の代表質問で取り上げ、県に中長期的な視点からの対策を求めました。しかしその後も、中国からの越境汚染は改善されず、2009年度からたびたび、光化学スモッグ注意報の発令が繰り返されています。

今、問題になっている汚染物質は、車や工場などからの排ガス・排煙が原因とされる、直径が千分の2・5ミリ以下の微小粒子物質「PM2・5」と呼ばれるもので、粒が小さいため呼吸器の奥まで入り込み、ぜんそくや気管支炎などの健康被害につながると言われています。このため、本県では先月から県内10ヶ所で観測を始め、ホームページ上で観測数値の結果を公表しています。そこで。

1点目に、「PM2・5」のわが国での環境基準は、1日平均1立方メートル当たり35マイクログラム以下となっていますが、この環境基準に照らし、「PM2・5」による本県での大気汚染が、これまでの観測を通じ、どのような現状にあるのか。また、多くの県民が「PM2・5」による健康への不安を感じていると思いますが、現状で県民の健康への影響をどのように考えているのかお聞きします。

2点目に、今後春から初夏にかけ、黄砂の飛来とともに、「PM2・5」などの大気汚染物質の飛来が、量、回数ともに増加することが考えられますが、気候変化に伴う汚染状況の推移を、どのように予測しているのか お聞きします。また先日、国から「PM2・5」に関する注意喚起のための暫定指針が示されました。そこで、本県においても、国の暫定指針に沿い、観測数値の公表に工夫を加えるべきだと考えますが、このことについて知事の考えをお聞きします。

3点目に、本県は「グリーンアジア国際戦略総合特区」の指定を受け、環境分野を中心とした産業のアジア展開をはかる施策を進めており、中国の深刻な大気汚染問題の解決に、かつて深刻な大気汚染を経験し、それを克服した経験とノウハウを持つ県内自治体とともに本県が、積極的に技術協力していくことは、大変重要なことだと考えます。そこで、このことについて、知事の考えをお聞きします。

二つ目の課題は、産廃行政の推進についてです。
先月25日、わが会派は飯塚市・内住地区にある最終処分場を視察するとともに、処分場周辺の住民の方々から、県に対する意見や要望を聴取してきました。県による、この処分場内のボーリング調査は、すでに終了し、覆土を終えた処分場内では、かつて放置されたままであった大量の産業廃棄物を、今では直接見ることはできません。しかし、処分場直下の民有地には、異臭が立ち込め、処分場からは泡立った水が、間断なく流出するという現状が見られ、周辺住民の方が、健康への不安を訴える事情が、よく理解できました。そこで。

1点目に、今年1月以降、現地では周辺モニタリング調査や、ボーリング調査が重ねて行なわれていますが、調査の進捗および調査結果がどのようになっているのか、知事にお聞きします。

2点目に、知事は現地の調査結果をもとに、「調査専門委員会」の審議を経て、年度内には、措置命令を出したいとの意向を明らかにしてきましたが、県として措置命令を発出する時期について、知事が現段階で、どのように考えているのかお聞きします。

3点目に、処分場直下の民有地の現状については、先ほど述べましたが、健康に対する周辺住民の不安をどのように受け止め、どのように対応するのか、知事の考えをお聞きします。

4点目に、本県の来年度予算案には、新規事業として、安定型最終処分場に対する定期的な掘削調査の実施、長期化している廃棄物事案の解消に向けた取り組みを実施するための予算が計上されています。これは、知事が「県民幸福度日本一」をめざし、産業廃棄物問題を住民の立場にたち、積極的な解決に乗り出す姿勢を示したものと、高く評価します。そこで第1に、県内で現在、稼動している安定型最終処分場のカ所数と、産廃問題が長期化している事案が、どれだけあるのかお聞きします。第2に、稼動中の安定型最終処分場を対象とした掘削調査は、来年度、何ヶ所を予定し、調査対象の処分場は、どのようなことを基準に、選ぶことにしているのかお聞きします。第3に、産廃問題が長期化している事案に対しては、どのような調査を年間何ヶ所予定しているのか、お聞きします。

ページトップへ