2015年12月定例県議会 報告 その4

2024-02-14

二、代表質問

◎メンタルヘルス対策とストレスチェックの導入

本県民間労働者のストレスの実態について (知事へ質問)
 ストレスの実態について、県としてどのように把握をしているのか。
厚生労働省の全国調査で、近年、5割を超える労働者が、仕事の量や質、職場の対人関係、仕事上の役割や地位の変化等を原因とする強い不安、悩み、ストレスを感じている、という結果が出ている。
 県内4か所の労働者支援事務所の労働相談も、「職場の人間関係」や仕事の量に関わる「労働時間、休日・休暇」等、ストレスの要因となりうる内容が近年増えている。

ストレスチェック制度導入の意義について (知事へ質問)
 本年12月1日よりストレスチェックがスタートし、50人以上の労働者を有する事業場は責務、50人未満の事業場は努力義務となった。県内民間事業者へのストレスチェック導入の意義について、どのような認識を持っているのか。
労働者自身のストレスへの気づきを促し、メンタルヘルスを身近な問題と意識する機会となる。
 ストレスが高い結果の出た労働者の申し出を受け、会社側が医師による面接指導、必要に応じ仕事の軽減措置を実施することにより、職場が働きやすく健康的な環境に改善され、メンタルヘルス不調を未然に防止する意義がある。

民間事業者へのストレスチェック制度実施の働きかけについて (知事へ質問)
 民間事業者がストレスチェックを実施しなくても、罰則規定がない。ストレスチェックが確実に実施されるよう、県はどのように働きかけるのか。
民間事業者で確実に実施されるために、事業者がストレスチェック制度の趣旨、目的を正しく理解することが重要。
 県は、平成26年6月の労働安全衛生法の改正を踏まえ、制度の概要を県ホームページで解説、企業経営者を対象としたセミナーにおいて説明する等、理解の促進に努めてきた。今後も様々な機会を捉え、本制度が着実に実施されるよう制度の周知を図る。

本県職員に対するメンタルヘルス対策について (知事へ質問) 
 ストレスチェックはメンタルヘルスにどのような効果が上がったのか。   
平成20年度からストレスチェックを導入、職員自らがストレス度を把握すると共に、高ストレスの職員には、県産業医による面接指導を早期に行っている。平成26年度からは、職場ごとの分析結果を活用し、職場の環境改善に取り組んでいる。
 これらの取り組みにより、ストレス度の高い職員数は減少傾向にあり、健康障害の発生するリスクが危険ラインを超える所属数も、平成26年度に比べて、27年度は減少して、一定の効果がある。

教職員に対するメンタルヘルス対策について (教育長へ質問)
 教職員のメンタルヘルス対策はどのように効果があったのか。
県教育委員会は、メンタルヘルス対策として、精神科医等によるカウンセリング、複数の窓口による相談体制の構築、管理職や中堅職員を対象にストレスマネジメント研修を実施している。
 今後は労安法の改正を踏まえ、ストレスチェック等を実施することで、職員自身のストレスへの気づきを促すと共に、検査結果を分析し職場環境の改善につなげ、職員がメンタル面で不調となることを更に防止する必要がある。

本県職員の精神疾患の状況について (知事へ質問)
 病気休職者に占める政審疾患者が多いが、発生要因をどのように考えているのか。
主な要因は、「上司や同僚からの支援が乏しい」等といった「仕事上の人間関係」とする回答が多く見られた。
 職場環境の改善が大きな課題、ストレスチェックの活用、職場内の協力体制の構築等、きめ細かなメンタルヘルス対策を一層推進し、風通しの良い職場環境の整備に努める。

本県教職員の精神疾患の状況について (教育長へ質問)
 病気休職者のうち、精神疾患の発生要因をどのように考えているのか。
教職員が精神疾患に罹患する原因は、生徒や保護者への対応、職場の人間関係等、職務上の問題、家族の病気、介護等の個人的な問題等、様々な原因がある。
 教育活動の円滑な実施は、教職員が健康であることが基本。心身共に健康に教育活動に専念できるよう引き続きメンタルヘルス対策の効果的な実施に取り組む。

市町村立学校の教職員へのストレスチェックの導入について (教育長へ質問)
 任命権者である県教育委員会が、責任をもって、市町村立学校の職員に対しても、ストレスチェックを実施すべきではないのか。
国の指導で、市町村立学校における安全衛生管理体制の整備は、市町村教育委員会にその責務がある。
 市町村立学校のストレスチェックは、学校の設置者である市町村で実施される。
 県教育委員会は、今後も市町村教育委員会に対し、法改正の趣旨やストレスチェックの必要性の周知徹底を行い、適切にストレスチェックが実施されるよう働きかける。

本県と福岡労働局との連携による労働環境の改善について (知事へ質問)
 本県は10月に県と福岡労働局は雇用対策協定を締結した。心の健康の保持増進について、この雇用対策協定により、県と国が連携して進めるべきではないか。
本年10月、更に連携・協力して労働関係施策を推進することを目的に、「福岡県雇用対策協定」を締結した。
 この協定で、共に取り組むべき施策の一つとして雇用環境の改善を設定、ストレスチェック制度についても、県・国が相互に協力し取組みを周知する等、労働者の心の健康の保持増進に積極的に取り組む。