2017年9月定例県議会 報告 その3

2024-02-14

二、代表質問

◎県政推進の基本姿勢について

3.基金残高と関連付けた地方交付税削減問題 (知事へ質問)

基金残高と関連付けた地方交付税の削減は言語道断、その認識について

地方自治体は、国と異なり地方債の発行権限が限定され、大規模な災害や経済不況による税収減等、不測の事態により生じる財源不足については、基金の取崩し等により収支均衡を図らざるを得ない。地域の実情を考慮せず、地方の基金残高が増加していることをもって、地方財政に余裕があるかのような議論は妥当ではなく、断じて容認できない。

4.最低賃金のあり方 (知事へ質問)

中央最低賃金審議会目安制度における本県のランク付けが、Cランクと不当ではないのか。
目安制度のランク付けは、公労使からなる中央最低賃金審議会において、1人当たりの県民所得や消費、給与、企業経営の状況に関する19の客観的指標を基に、各都道府県の経済実態を総合的に勘案して設定されている。総合指数で17位までがBランクに位置付けられていることを鑑みると、本県がCランクに位置付けられていることは、現行方式においては、やむをえない。

各都道府県をAからDの4つのランクに分ける基準に合理性はあるのか。

5年ごとに公労使それぞれの立場からの議論がなされた上で、指標のあり方やランク区分の見直しが行われてきている。現在のランク分けの基準には、一定の合理性があると考える。

地域間格差縮小に向けた制度の改正を提案すべき

ランクごとに最低賃金の引上げ額を定めている現行方式は、近年の最低賃金額を比較しても上位県と下位県との格差が拡大している状況にある。
 全国知事会を通じ、本年8月、国に「地域間格差につながっているランク制度の見直しを図りながら、最低賃金を引上げるとともに、これによって影響を受ける中小・小規模事業者への支援の強化」を行うよう提言した。

最低賃金のあるべき姿と、どの程度が本県の最低賃金として適切か

正規雇用労働者と非正規雇用労働者の賃金格差の是正や、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護との整合性に配慮しつつ、地域の実情を反映したものであるべき。
 県として、毎年最低賃金に関する議論を行い、最低賃金800円という目標を早期に実現することが最重要、国に対して要望を続けてきた。
 その結果、最低賃金は、今年10月から24円上がり789円となり、目標達成まであと11円となる見込み。現在の目標を達成した後の目標については、今後、検討。

5.本県の産業廃棄物行政 (知事へ質問)

産業廃棄物中間処理業者の事業所総点検の実施状況について

県は、廃止の1事業所を除き、全ての中間処理業者345事業所に対し、9月7日までに立入検査を行い、廃棄物の保管状況を確認し、法定保管量を超過している4事業所が確認されたことから、これらの事業所について改善を求める指導を行った。
 現在、全ての事業所において改善が進んでいるが、引き続き、法の基準を遵守するよう強く指導する。
 中間処理業者における防火対策は、県が設置している「産業廃棄物に係る専門委員会」から①消火設備の確実な設置、②廃棄物の長期保管の回避、③保管廃棄物の温度確認などが有効である、との意見が示された。
 県は、今回の立入検査に併せて、全ての中間処理業者に対し、これらの点について指導・助言を行った。今後も、全ての事業所の保管状況を定期的に確認し、必要な措置を採り、防火対策についても、指導・助言を行う。

嘉麻市の産業廃棄物中間処理業者の事業実態について

産業廃棄物処分業について許可申請した保管容量は、約460立方m、2012年5月の改善命令の対象となった保管量は、約4,300立方m、本年5月に火災事故を起こした時点の廃棄物の保管量は、約2万立方mだった。

違法な過積みをした産業廃棄物中間処理業者に対する早期の行政処分について

県は、当該事業者の過剰保管を確認し、2012年5月に改善命令を発出、2014年5月、廃棄物の新たな搬入を停止する命令の手続きを開始。
 同年7月、事業者から廃棄物受入れの大幅抑制を内容とした誓約書が提出され、その直後には新たな搬入が停止。
 これらのことから、事業者による改善が見込まれるものと判断、改善を強く求めつつ、その推移を見守っていた。

排出事業者に責任を負わせるべき

今回の不適正処理事案は、その責任は実行行為者である事業者にあることから、まずは、当該事業者に対し、措置命令の内容が確実に実行されるよう改善状況を随時確認し、強く指導を行う。
 一方で、排出事業者責任の追及についても、現在、この中間処理業者に産業廃棄物の処理を委託した事業者に係る契約書やマニフェスト約4千枚を徴収し、搬入・搬出の量や契約先等について内容を精査している。

産業廃棄物の不適正処理への対応をもっと迅速に、より厳格にすべき

不適正処理が生じた場合、重点的に立入検査を行うとともに、事業者に対し指導や厳重注意書の発出を行い、早急な改善を求める措置を採っている。
 指導に従わない事業者に対しては、生活環境の保全上の支障を生ずる事態を招くことを未然に防止し、廃棄物の適正処理を確保するため、法に則って、厳正に行政処分を実施する。