2020年(令和2年)2月定例県議会 報告 5

2024-02-14

代表質問の質問、及び答弁(各質問毎の要約)

一、県政推進の基本姿勢について

4.県有施設における災害時避難所のあり方について

○県立学校における避難所指定の現状、及び被災者受入れ訓練の実施状況について
 県立高校、特別支援学校などの県立学校において、指定避難所に指定されている施設の現状、及びこれらの指定避難所における被災者受入れのための訓練や食料備蓄の状況を問う。
【知事答弁】現在、35市町で県立学校115校のうち86校が避難所に指定されている。食料などの備蓄は、市町村が備蓄場所や数量・品目などを決め、県立学校を避難所として指定している35市町のうち3市が県立学校の敷地内に備蓄している。残りの市町では、庁舎などに備蓄しており、災害時には、避難所に持ち込むこととしている。
 避難所を使った被災者受入れの訓練は、市町村防災担当課長会議などの場を通じて呼びかけている。市町村は、まずは使用する可能性が高い公民館や小中学校での訓練を実施している。このため、県立学校を使った訓練は行われていないが、今後、市町村から県立学校を訓練に使用したいとの申し出があれば、県として当然、協力してまいる。

○県有施設の避難所指定について
 避難所として活用可能な県有施設については、できる限り活用されるよう避難所指定権限を有する市町村に情報提供や連携の強化を図るべき。認識と今後の取り組みを問う。
【知事答弁】市町村の避難所確保を支援するため、平成24年12月に県有施設の避難所指定手続きを定め、協定書のひな形や避難所として活用可能な142の県有施設の一覧を提供している。市町村から避難所指定したいとあった場合は、この手続きに則り、原則承認する。現在、35市町から県立学校やクローバープラザなど90施設が避難所に指定されており、今後も県有施設の避難所指定が円滑に行われるよう、市町村に協力していく。

○避難所におけるよう配慮者に対応できる受け入れ体制の構築について
 今後の高齢化の進展や熊本地震の教訓を生かし、どの避難所でも障がい者や高齢者など要配慮者に対応できる受入体制を速やかに構築すべき。見解と今後の取り組みを問う。
【知事答弁】災害時に配慮を要する方は福祉避難所に避難することとされているが、その暇(いとま)がない場合、近隣の避難所に一時的に避難することとなる。このため、県は、要配慮者の避難所への受入れも想定した「福岡県避難所運営マニュアル作成指針」を策定し、福祉避難スペースの確保や情報提供の工夫など避難所運営のあり方を示し、市町村に対して、これを参考にマニュアル作成を要請するとともに、避難所運営の研修や訓練も行っている。

5.新・県立美術館について

○建設地の選定理由について
 建設予定地は、選定委員会の報告書に選定理由が記載されているが、最初から福岡市内という結論があったのではないかとも思える。改めて大濠公園を選定した理由を問う。
【知事答弁】建設地の選定にあたっては、有識者による選定委員会を設置し、新県立美術館に必要な敷地面積を確保できる県有地及び国有地等を県内全域からピックアップし、調査検討を行っていただいた。この中から、平成29年の「新福岡県立美術館基本構想検討委員会報告」での、①交通至便で人が集まりやすいこと、②他の文化施設等との連携による相乗効果を生み出すこと、③内外の人々に対する福岡の魅力が倍増できること、の3要件を満たす7候補地の比較検討が行われた。その結果、望ましい建設地として大濠公園南側の用地が選定された。
 県では、選定委員会の意見を踏まえ、総合的な検討を行った。大濠公園は、交通至便で、都市公園として高い知名度を有している。また、福岡市美術館と近接することで全国有数の美術館エリアが誕生し、更には、大濠公園の日本庭園も活かした美術館にすることができ、国内外から観光客が訪れる大濠公園の魅力が増し、セントラルパークとしての機能と魅力を一層高めることができると考え、建設地として決定したもの。

○福岡市美術館との連携について
 今まで市の美術館とどの様な連携を取ってきたのか。また、新美術館設置後、連携が可能となる内容、発揮できる相乗効果な何か。また、この連携は市と事前協議しているのか問う。
【知事答弁】県立美術館は、福岡市美術館と企画展の共同開催、市内の美術館、博物館等を巡るスタンプラリーといった共同イベントの実施、収蔵作品の相互貸借などを行ってきた。選定委員からは、県と市の美術館が近接することで利用者数の増加などの効果が期待できる共通観覧券の発行、2つの美術館を活用した大規模美術展の開催など具体的な連携方策をいただいた。来年度から始める新県立美術館の基本計画の策定の中で、福岡市と2つの美術館の具体的な連携方策についても協議していく。

○福岡武道館について
 福岡武道館の建替え計画はどうなっているのか。いつ、どこに建替えを検討しているのか問う。
【知事答弁】福岡武道館は、県警察の訓練のほか、県民の柔道、剣道などの練習や試合の会場として利用される重要な施設であり、代替施設を確保していく必要がある。このため、新福岡武道館の整備に向け、県民や県警察の利用実態を踏まえながら、施設を所管する県警察と協議を進め、立地場所を含め早急に検討してまいる。

○現県立美術館について
 現美術館を現在地に残すと知事が発表した翌日、高島市長が、県立美術館は無くなるものとして須崎公園の再整備を進めている、旨発言した。現美術館は具体的にどの様な利用を想定しているのか、市と事前調整は出来ていたのか。出来ていないなら何故しなかったのか。
【知事答弁】福岡市からは、須崎公園に新たな文化施設の基本計画を策定するにあたり、「県立美術館が現地で存続することを前提に検討を進める」との説明を平成28年2月に受けた。また、平成29年12月の市議会に報告された須崎公園の再整備方針では、新たな文化施設と県立美術館との連携強化が明記されている。平成28年2月以降、福岡市からの説明は無く、新聞報道では、福岡市は「県立美術館の建物が無くなることを前提に須崎公園の再整備を進めている」と主張されているようだが、その意図をはかりかねている。
 現県立美術館は、集客力を誇る天神地区に立地し、長年県民に親しまれてきた文化施設としての蓄積もある。選定委員会からは、子どもや高齢者、障がいのある人、若手作家など様々な人々が芸術活動を行う交流の場として活用するなどの意見をいただいた。この意見も参考に、現県立美術館の建物を今後も活用することとした。具体的な活用方策については、新県立美術館の基本計画を策定する中で検討していく。