2020年(令和2年)12月定例県議会 報告 4

2024-02-14

民主県政県議団代表質問・答弁概要

一、農業振興、とりわけスマート農業について
問1 スマート農業の意義をどう認識しているか、県農業政策にどう位置付けているか、実証の状況を問う
(知事答弁)農業者の減少や高齢化が進む中、農業振興を図るためには、作業を効率化し、収量・品質を向上させることが重要であり、スマート農業は、これらに大きく寄与すると考える。県では、農林水産振興基本計画に、ICTやロボットといった先端技術の導入を、生産力強化のための施策として位置づけている。昨年度から、スマート農業機械の導入を進めるとともに、地域の栽培条件に応じて、その機能が最大限に発揮されるよう実証を行っているところ。具体的に、①水田農業では、ロボットトラクターやドローンによる省力化、②ミズナやコマツナ等の大規模施設園芸では、AIやIoT活用による栽培から労務・経営管理までの効率化、③イチゴやナスでは、ICT機器で収集したハウス内の環境データの活用による収量向上など、県下37か所で実証に取り組んでいる。

問2 今後、農家のスマート農業機械の導入促進するための支援を問う
(知事答弁)昨年度から、スマート農業機械の導入経費を助成。園芸農業においては44の経営体がハウス内の環境をタブレット端末により遠隔で管理する装置や自動かん水施設を導入。水田農業においても28の経営体がGPSを搭載したロボットトラクターや収量がリアルタイムで測定できるコンバインなどを導入。今後とも、スマート農業機械の導入支援とともに、実証により得られた成果をとりまとめ、普及指導センターを通じ、栽培指導や個々の経営実態に応じた機種の選定などの指導を行いスマート農業の普及拡大を図る。

一、災害時における住宅再建の支援について
問1 大牟田市における住宅再建に関する意向調査の結果を問う
(知事答弁)9月の時点で罹災証明書により全壊、大規模半壊及び半壊の認定を受けた1,211世帯を対象に、市が行った意向調査では、回答のあった498世帯のうち、「解体する」が106世帯で21.3%、「修理する」が159世帯、「解体しない」が114世帯で、合わせて273世帯、54.8%が被災した住家に住み続けると回答。検討中又は意向を明らかにしていない世帯が119世帯、23.9%。市では、本年11月に設置した地域支え合いセンターを通じ、全ての被災世帯を訪問し、再建の意向の把握を進めているところである。

問2 住宅再建を希望しない被災者への支援を問う
(知事答弁)大牟田市では、被災世帯の生活再建をきめ細かく支援するため、地域支え合いセンターにおいて、全世帯への訪問活動や高齢者世帯等の見守り活動を通じた相談対応を行っている。このセンターが中心となり、被災者が抱えている具体的な課題にできる限り早期に対応し、避難生活の長期化を防ぐことが重要。このため、県としては、同センターが把握した被災者の意向を踏まえ、大牟田市による医療、福祉サービスの利用調整等の支援活動に対する助言を行うとともに、市と協力して公営住宅や民間賃貸住宅への入居あっせんを行っていく。

問3 被災住宅の修理申込み、応急修理の早期完了への県の支援を問う
(知事答弁)11月30日現在、応急修理の申込み可能物件は759件、修理申込件数が417件で、修理完了件数は333件となっている。国の制度の拡充が見込まれ、応急修理制度や公費解体制度の活用、公営住宅等への転居など、再建方法を決めるのに時間を要している方が多い状況。県では、応急修理の期限について国と協議し、延長の承認を得ているところ。特に被害の大きかった大牟田市では、公費解体の申請期限を来年2月26日までとし、検討に必要な期間を確保している。県は、応急修理制度を円滑に利用いただくため、被災市による説明パンフレットの作成支援をするとともに、県内の建設業3団体で構成される「福岡県建築物災害対策協議会」との協定に基づき、建設業者の名簿を提供した。また、大牟田市及び久留米市には、家屋被害認定調査及び罹災証明書の発行を支援するため、県職員を派遣するとともに、大牟田市に対しては、応急修理業務を支援するため、建築の技術職員を派遣したところ。今後とも、修理申込みが済んでいない世帯が多い大牟田市には、市の地域支え合いセンターが行う資金面や福祉サービス等に関する相談支援活動への助言を行い、被災世帯が抱えておられる課題の解決に繋げてまいる。

問4 応急修理をしている身近な建設業者と県の連携・協定締結について問う。
(知事答弁)「福岡県建築物災害対策協議会」との協定に基づき、災害発生時には応急修理への協力要請を行い、市町村による応急修理の迅速な実施を支援している。大牟田市や久留米市から、地元の大工や小規模な工務店へ工事を依頼している被災者が多いことから、さらに応急修理を円滑に進めるため、地域の身近な建設事業者で構成される団体との協定締結に向けた協議を行っていく。

問5 被災者生活再建支援法の改正を受け、今後の手続き、改正法の周知を問う
(知事答弁)法改正の内容は、被災者生活再建支援金の対象に大規模半壊に至らないものの相当規模の補修を要する中規模半壊を追加し、再建方法に応じて建設・購入の場合100万円、補修の場合50万円、賃借の場合25万円を支給するもの。改正後の規定は、令和2年7月豪雨で被災した世帯に遡及して適用される。中規模半壊に該当する世帯に対しては、大牟田市から、法改正の内容、申請手続等必要な事項を個別に通知することとしており、被災者は追加の手続は必要ない。県は、法改正にかかる国からの通知を受けた後、県のホームページに掲載するとともに、大牟田市に対し、該当する世帯への説明を丁寧に行うなど、周知を徹底するよう助言する。