2021年(令和3年)2月定例県議会 報告 10

2024-02-14

民主県政県議団代表質問・答弁骨子

問 優良品種の開発・保護について
 【知事職務代理者】県では、付加価値を高め、生産者の所得向上につながるブランド化を進めるため、「あまおう」や「秋王」など、品質の高い独自品種の開発に取り組んできたところである。また、これらの品種の無断栽培や不法な流通・販売を防止するため、国内での品種登録はもとより、国内外で商標権の取得を進めている。特に、「あまおう」については、国内外で商標権を取得するとともに、生産を県内に限定し、栽培管理を徹底して品質向上に努めたことにより、16年連続で販売単価が日本一になるなど、消費者から高い評価を得ているところである。このように、優良品種の開発とその保護の取組みは、生産者の所得向上に大きく寄与するものであり、継続的に推進すべきものと考えている。

問 種子を守る条例の制定について
 【知事職務代理者】本県は、平成26年に「福岡県農林水産業・農山漁村振興条例」を制定し、その中で新品種の開発並びにその普及に必要な施策を掲げており、これに基づき種子の確保や栽培技術の指導などに取り組んでいる。さらに、種子法の廃止に伴い、米・麦・大豆の種子の安定供給を図るため、種子の生産計画の策定や異品種混入防止のための審査などについて、基本要綱を定めている。
 県としては、この条例及び要綱に基づき、引き続き農業者が安心して生産に取り組めるよう、優良種子の安定供給に努めてまいる。

問 種苗法改正について
 【知事職務代理者】今回の改正に伴い、農林水産省に登録された品種について、農業者がその収穫物の一部を種苗として利用する行為、いわゆる自家増殖を行う場合、育成者の許諾が必要となる。本県では、「あまおう」をはじめ、県が育成した登録品種の自家増殖については、法改正以前から「第三者に無断で譲渡しない」等の条件を付して許諾しており、法改正によって農業者に新たな負担が生じることはない。また、在来種や登録期間が過ぎた品種など、種苗全体の約9割を占める一般品種については、これまでどおり自家増殖の許諾は必要ない。これらのことから、今回の法改正による本県の農業者への影響はないと考えている。
 県としては、今回の改正内容について、農業団体や関係機関、農業者への周知を図っているところであり、農業者に不安が生じないよう、今後も情報提供に努めてまいる。

問 県育成品種の栽培技術支援について
 【知事職務代理者】県下10カ所の普及指導センターに普及指導員を配置し、県育成品種の特性が十分に発揮され、品質の高い生産が行われるよう、農業者への技術指導を計画的に行っている。また、JA組合員でない方も含め、農業者の要請に応じて個別指導も行っている。新規就農者については、土づくりや病害虫対策などの農業の基礎を学ぶ営農講座を実施し、早期の技術習得と経営安定を図っている。こうした技術的支援を実施し、県育成品種のブランド力の強化につなげてまいる。

問 安定型最終処分場における死亡事故の原因分析について
 【知事職務代理者】県は、死亡事故発生直後に学識経験者から構成される「筑紫野の産廃処分場事故調査委員会」を設置し、事故の発生原因の解明及び処分場の改善方策について調査・検討を行った。 その結果、事故の原因となった硫化水素については、埋立地内に木くずや紙くずなどの安定型産業廃棄物以外の廃棄物が混入したことや酸素が不足する嫌気的な状態が生じたことから、土壌に含まれる細菌の働きにより発生したものと推測している。
 県としては、今後、硫化水素が発生することがないよう、事業者に対し、まず、委員会の提言に基づき、廃棄物と雨水の分離及びガス抜き等の措置を講じさせた。その後、改善命令を発出し、安定型産業廃棄物以外の廃棄物を除去させている。その結果、現時点では生活環境保全上支障がない状況となっている。

問 処分場の許可容量超過に対する県の対応について
 【知事職務代理者】県は、平成15年に許可容量超過分の廃棄物を撤去するよう改善命令を発出していたが、平成17年に他の違法行為を確認し、廃棄物処理法に基づく全ての許可を取り消している。許可区域内の容量超過分の廃棄物は撤去されたが、許可取消時点で、許可区域外の廃棄物が残っていたため、事業者責任による許可容量超過の廃棄物の撤去を、毎年度、文書にて指導してきた。
 当該処分場は、水質汚濁被害に係る原因裁定で、平成24年に水道水又は原水の水質悪化に伴う健康被害又は生活環境被害は認められないと結論づけられており、それ以降の環境モニタリングの結果においても基準値を下回っている。住民の安全・安心確保のため、現状を具体的に把握すべきとの議会からの指摘も踏まえ、県では、昨年度、覆土状況及び植生の調査を実施した。調査の結果、覆土により廃棄物の飛散流出防止及び雨水の排除機能は保持されており、また、処分場全体に多くの種類の植物が生育し、森林、草地及び湿地と多様な生物の生息の場として機能していることを確認している。昨年6月には、専門家会議において、「現状において生活環境保全上の支障はなく、今後も処分場の安定化が見込まれ、新たな対策を講ずる必要性はないと考えられる」との評価をいただいた。
 県は、今後とも環境モニタリングを継続し、住民の安全・安心を確保していく。

問 市民の代表者などによる現地確認に係る調整について
【知事職務代理者】当該処分場へ、毎週1回以上、廃棄物処理法に基づく権限を有する職員が立入検査を行い、受託廃棄物の搬出状況や施設の管理状況を確認している。今後、市民の代表者などから要望があった場合、当該処分場は私有地であることから、事業者の意向を踏まえ対応してまいる。

問 県知事選への出馬について
【知事職務代理者】身に余る言葉をいただき、大変光栄に存じる。身の引き締まる思いである。民主県政県議団として、要請をいただいたことを、極めて重く受け止めさせていただき、熟慮のうえ、小川知事と相談して、責任をもって決断をしてまいる。