2021年(令和3年)6月定例県議会 報告 6

2024-02-14

民主県政県議団 代表質問 登壇者 冨田 徳二

三、教育施策について
問 県立学校のICT化を進める真意について
 学校におけるICT化を進めることにより、例えば、AIを利用した学習アプリによって生徒それぞれの理解度に応じた問題の提供や迅速な評価が可能となり、学習意欲や学力の向上が期待できる。
 また、オンライン・システムにより、遠隔地の大学や専門家などとの交流が容易になり、地域間格差を克服することにもつながる。さらに、災害や感染症拡大などの緊急時に、学校と自宅を結んだオンライン授業を実施し、教育活動を継続することもできる。
 このようなICTを活用した教育環境の整備を県立学校で進め、県内どの地域においても充実した教育が受けられるようにすることは、将来の福岡県の発展を担う人財を育成していく上で大変重要であると考える。
 
問 全国都道府県等の公立高等学校の端末整備の状況について(教育長答弁)
 本年3月の文部科学省調査では、1人1台整備を目標とする自治体は、本県を含め42都道府県である。そのうち経費負担については、設置者負担が16、保護者負担が15、検討中が11である。また、県内では、福岡市及び北九州市が昨年度に整備しており、久留米市及び組合立高等学校については、検討中である。

問 県立高等学校における1人1台端末の公費整備について
 本県では、授業でICTを効率的に活用していくため、生徒所有の使い慣れたスマートフォン等を学習に活用するBYOD方式により、1人1台端末環境の整備を進めている。そのため、必要な経費を本年度予算で御承認いただいているところである。
 昨年度、全ての教室にWi-Fi環境を整備し、本年8月にセキュリティ環境が整うため、9月以降、全ての県立高等学校でBYOD方式による授業を実施する。その上で、教育委員会において、この方式による教育の成果と課題を検証していく必要があると考えている。

問 教職員の働き方改革の推進について(教育長答弁)
 県教育委員会では、本年3月に改定した取組指針において、今後4年間で超過勤務を年360時間以内、月45時間以内に縮減することを数値目標とし、さらに、緊急に取り組むべき課題として月80時間を超える超過勤務の解消を掲げたところである。
 この目標を達成するため、本年4月から本格稼働した「統合型校務支援システム」の定着や部活動に関する負担軽減の徹底などにより、全体の業務量を抑制しつつ、管理職のマネジメントの下、教職員一人ひとりの勤務状況を踏まえた業務量の平準化を図ってまいる。
 また、こうした県立学校での取組みの成果について適宜市町村へ周知し、さらなる超過勤務の縮減がなされるよう、働きかけを行ってまいる。

問 小中学校における正規教員率の向上について(教育長答弁)
 本県の正規教員率については、平成29年度の86.4%から本年度91.1%へと上昇してきているが、目標とする93.2%には至っていない状況である。その内訳を見ると、小学校は93.0%であり、ほぼ目標どおりに進捗しているが、中学校は、87.6%に留まっており、これは、特別支援学級が4年間で1.5倍となるなど、定数が推計よりも大幅に増加したことが要因である。
 教育の質の向上のためには、正規教員の確保が重要と考えており、早急に目標が達成できるよう、より精度の高い推計に基づき新規採用を行ってまいる。併せて、定年の段階的引き上げを踏まえた採用計画を検討したいと考えている。

問 定数欠講師の未配置について(教育長答弁)
 本年度、必要な定数欠講師が確保できず未配置となっているのは、小学校で26校28人、中学校で32校46人である。以前のように、学級担任がいなかったり、授業ができないなどの状況はないが、学校現場に負担がかかっていることは事実であり、人的整備を担う県教育委員会として全力を挙げて解消すべきものと考えている。
 そのためには、まずは定数欠講師の数をできる限り縮小させることが重要であり、引き続き、退職者を上回る新規採用者の確保に努めてまいる。また、退職者や採用試験受験者等にティーチャーズバンクへの登録を勧めるとともに、学生を対象とした教員養成セミナーの開催により、教員や講師を志望する者を増やす取組みを強化してまいる。