2021年(令和3年)12月定例県議会 報告 3

2021-12-23

民主県政県議団 代表質問 登壇者 山本耕一

地域公共交通機関への支援について
 次に、コロナ禍で疲弊した地域公共交通機関への支援についてお聞きします。
 約2年にわたる新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの公共交通機関はコロナ前と比較し、乗客数が大きく減少しました。
 鉄道やバスといった地域公共交通機関は、自動車での移動が難しい交通弱者、高齢者や若者、コロナ後に再び増加するであろう外国人観光客の皆さんの生活・経済活動を支える重要な役割を担っていますが、コロナ禍で経営がますます厳しくなり、路線廃止といった衰退を招く可能性も大いにあり、その結果、所により交通弱者が増加し、地域間格差がますます広がることが懸念されます。我が会派は、今こそ、より一層の公的支援が必要だと考えます。
 そこで1点目に、コロナ禍における公共交通機関における現状をどう分析しているのか、知事の認識をお聞きします。またそれらに対する支援の取組についても併せてお示し下さい。
 
 2点目に、コロナ禍における公共交通機関へのさらなる支援についてお聞きします。
 観光需要の回復などを狙った「福岡避密の旅」は、ホテル宿泊に大きなメリットがあるものの、県民を対象とした県内の旅行に限られるため公共交通機関への恩恵がほとんどない、と言っても過言ではありません。
 そこで、広域の旅行需要喚起策を早急に構築し、疲弊した公共交通機関の利用を促進する取組を行うべきと思いますが、知事の考えをお示しください。また、今回、宿泊割引の対象に近隣5県の県民を加えるとのことですが、九州全体での展開を進めるべきではないでしょうか。知事の前向きな答弁を期待します。

公共交通機関が実施する感染対策の取り組みについて
 次に、公共交通機関が実施する感染対策のさらなる取り組みについてです。
 コロナ禍では感染予防に資する非接触型を目的とした店舗の改装などが数多くされてきました。それを公共交通機関でみると、最も非接触型で貢献できるのがICカードの普及ではないでしょうか。
 群馬県では、非接触型決済機器導入を推進するため、昨年度交通系ICカード導入の補助率を大幅に拡充し、これまで交通系ICカードが使えなかった公共交通機関や駅などについて、普及を図っています。
 本県でもJRでは、久大本線、後藤寺線や日田彦山線で、また平成筑豊鉄道や一部路線バスなどでは交通系ICカードが未対応となっています。
 そこで3点目に、非接触型決済機器導入を推進するための支援を、本県としても行うべきだと思いますがいかがでしょうか。知事の今後の取組をお聞きします。

男性の育児休業の取得促進について
 次に男性の育児休業の取得促進について、お聞きします。
 昨年5月、国は、男性の育児休業取得率を2025年には30%まで引き上げる目標を閣議決定しました。更に、その実効性を確保するため、本年6月、改正育児・介護休業法が国会で可決し「出生時育児休業」いわゆる「男性版産休」の導入など、新たな制度が追加されたところです。
 労働力人口の減少やコロナで働き方が大きく変わった今、誰でもいつでも仕事とプライベートを両立できる社会の実現に向け、本県職員が男性の育児参加を率先し、牽引していくべきです。
 そこで、はじめに男性が育児休業を取得する社会的意義と効果について、知事の認識をお聞きします。
 2点目に、本県職員の特定事業主行動計画に基づく男性の育児休業取得の現状について、知事、教育長、及び警察本部長にお聞きします。
 知事部局、教育委員会、福岡県警察における、2020年度の男性の産前・産後期間中の出産育児に関する休暇の取得率と育児休業の取得率の数値目標とその現状をお聞きします。また、数値目標に達していない場合、その要因についてどう分析しているのか併せてお伺いします。
 
 ユニセフの調査では、給付金が出る男性の育児休業の期間では、日本は世界1位との評価を得ています。このように良い制度がありながら、その取得を言い出せない会社の雰囲気などが大きな壁となり、実際に取得する父親は非常に少ないのが現状です。
 10月から佐賀県では、2週間以上の育休取得率100%を目標とし、子どもが生まれた県職員が気兼ねなく休めるよう、育休を取得できなかった場合、所属長が「不取得理由書」を提出する取組を始めました。このように組織のトップの意識改革や自ら推進する姿勢を発信することが大変重要です。
 そこで3点目に、県では、男性育休取得率アップにどのような取組をしているのか、お聞きします。その上で「不取得理由書」といった新たな取組について、知事、教育長の見解をお聞きします。
 
 市長自ら「イクボス宣言」をしている北九州市では、イクボスを人材育成の必須取組として位置づけ、様々な取組を行い、育児休業取得率が6年間で8倍以上、その取得日数も2倍以上になるなど、実践効果が表れています。本県の課長職以上の「イクボス宣言」が、形骸化していないか、この機に見直す必要があると考えます。
 そこで4点目に、知事はイクボスとして、どのように仕事と子育てを両立できる県庁を作っていくのか、その具体的な取組を示してはどうでしょうか、お尋ねします。

新県立美術館の整備と文化芸術振興について
 新県立美術館の整備と文化芸術振興についてお聞きします。
 県は、先月11日の第6回新福岡県立美術館基本計画策定委員会で示された最終案をもとに基本計画を策定し、先月30日に公表しました。今後、現地調査、各種設計、建築工事を経て、大濠公園が開園100周年を迎える2029年度に開館されるものと承知しております。新県立美術館の整備は、本県の文化芸術の振興はもとより、地域活性化や観光振興に資することから多くの県民が注目しています。以下、お尋ねします。
 まず1点目に、基本設計についてお聞きします。新県立美術館は魅力的で、長く県民に愛される建物でなければなりません。そこで、できるだけ多くの提案の中から設計者を選定するのが望ましいと考えますが、知事の見解をお聞かせください。また、現在の県立美術館の建物の活用方法についても併せて考えをお聞かせください。
 2点目に福岡市美術館との連携についてお聞きします。新県立美術館の建設予定地からわずか200メートルのところに福岡市美術館があり、大濠公園内に美術館が2つあるという感覚を持たれる県民も少なからずおられると思います。だからこそ、新県立美術館の独自性をどう発揮し、また、福岡市美術館とどのように連携していくのか、早く方向性を明確にすることが大切ではないかと思いますがいかがでしょうか、お答えください。

本県の文化芸術の振興について
 次に、本県の文化芸術の振興についてお聞きします。
 2020年3月に制定された福岡県文化芸術振興条例では、文化芸術の振興に関する施策に関し、基本理念を定め、県の責務等を明らかにするとしています。また同条例に基づき、本年4月福岡県文化芸術振興基本計画を策定しており、今後、文化芸術の振興に向けてこれまで以上の取り組みが進められることを大いに期待したいと思います。
 その一方で、本年6月定例会の一般質問において、私が福岡県美術展覧会の出品数が直近の20年で4割以上減少していることについて質したところ、教育長は「今後は若い世代の芸術家の掘り起しに努める」と答えています。
 コロナ禍で文化芸術活動も停滞しているとお聞きしており、条例はもとより、新県立美術館開館に向けて、文化芸術振興を、県としても強く後押しする時期に来たのではないかと思います。私たちは、デジタルアート、現代アート、更に前衛的な芸術作品を目にする様になりました。その担い手の多くは若い人たちです。
 そこで3点目に、若い芸術家を支援するため、まずは特に目にするようになったデジタルアートに対する支援を進めるべきと思いますが、知事の考えをお聞かせください。

児童相談所の体制整備について
 次に、児童相談所の体制整備について伺います。
 先日、我が会派は福岡児童相談所を訪問し、児童相談所の現状を調査してまいりました。
 まず、一時保護所では、保護している子供に職員の目が届きにくい、風呂が男女共同となっているなどの問題点がありました。一時保護所の更新にあたっては、デザイン面ではなく、保護を目的とした機能面を最大限重視すべきことを指摘しておきます。
 
 さて質問です。
 政令市を含む本県の児童相談所が対応する虐待の相談件数は、年々増加を続け、2020年度は10,272件と初めて一万件を超え、2016年度の4,194件と比べて約2.5倍に増加しております。最前線で対応にあたる児童相談所の職員は、夜間、休日を問わず、児童を保護し、保護者から相談を受けるなど、大変な業務を担っておられる実態がありました。
 県では、増加する児童虐待相談に対応するため、児童相談所の児童福祉司を、児童福祉法が改正された2016年度からこれまで、73名から113名に増員するなど、6月議会の我が会派の代表質問に知事が答弁されたように、計画的に体制強化を進めておられることは承知しております。
 しかしながら、それは、勤務経験が浅い児童福祉司が増加したとも考えられます。厚生労働省が行った全国の児童相談所に対する調査では、今年4月時点で経験年数が3年未満の児童福祉司が全体の約51%と、半数を超えることが明らかになっております。
 そこで1点目に、県所管の児童相談所における児童福祉司の勤務経験年数の状況はどうなっているのでしょうか、お示し下さい。
 また、経験年数が浅い職員に対しては、中堅やベテラン職員の高い相談援助技術でしっかりフォローしていくことが重要です。また、子どもや保護者と向き合い、虐待から子どもの命を守るためには、経験の浅い職員も含め、職員全体の専門性を向上させることが急務と考えますが、県ではどのようにレベルアップを図っていかれるのか、知事に伺います。
 
 次に、虐待相談を受けた児童相談所は、子どもの安全を迅速に確保する必要がある場合など、子どもを保護者から分離する一時保護を行うこととなります。
 2020年度には、延べ2084人の子どもが、県所管の児童相談所の一時保護所等で保護されています。子どもの心身の状況や環境、家族の状況などにより、一時保護の期間は変わってくると思います。
 一時保護された子どもたちは、虐待の状況などにより、学校に通うことができない場合は、一日中、一時保護所で生活することになります。学齢期の子どもは、一時保護所の中で学習することになり、我々の福岡児相の視察の際も、子どもが机を共有スペースに出して、職員の方に見てもらいながら学習しているという状況がありました。もちろん第一義的には、一時保護所から学校に通えることが望ましいのですが、現実的には施設内での学習が中心となっているのが現状です。保護期間が長くなった場合など、学習の遅れなどが懸念されます。
 そこで2点目に、本県では、一時保護所で保護された子供は、一人当たり平均でどれくらいの期間在所しているのか、お示し下さい。
 また、一時保護所に保護され、学校に通うことができない子どもに対して、県では、どのように学習支援に取り組んでいかれるのか、お伺いします。