2022年(令和4年)6月定例県議会 報告 3

2022-08-18

民主県政県議団 代表質問 登壇者 後藤香織

 次に、福岡県のジェンダーギャップについて伺います。
 今年3月「都道府県版ジェンダーギャップ指数」が発表され、メディアでも大きく取り上げられました。
 これによると、本県は政治0.153、行政は0.258、教育は0.423、経済は0.356であり、いずれの分野においてもジェンダー平等を示す「1」には程遠い結果となりました。こういった事項は、これまでも「福岡県男女共同参画白書」にて示されてきましたが、具体的な指標として可視化された事で現状を把握し、全国と比較する事で、より課題を認識しやすくなりました。
 そこではじめに、この「都道府県版ジェンダーギャップ指数」の本県の結果について、知事の認識をお聞きします。
 また、「ジェンダー平等の福岡県」という服部知事の公約を達成するためには、その思いを市町村と共有し、それぞれの取組を促していく必要があり、そのために、市町村ごとのジェンダーギャップが見えるデータ等を県として積極的に公表し、克服の道筋をつけていくべきと考えますが、知事の見解をお聞きします。
 次に、ジェンダーギャップと少子化の関係性についてお聞きします。 ジェンダーギャップと少子化の相関性については、2020年4月の内閣府の資料にて「ジェンダーギャップ指数が高い、つまり男女格差が少ないほど、出生率は高まる傾向」が示されました。それを裏付けるように、ドイツやデンマークなどでは、女性の社会進出が進むと一度は合計特殊出生率が落ちますが、その後「ジェンダー平等」を社会全体で進める事で出生率は回復しています。
 また、近年の人口動態をみると、地方に男性が多く、都会に女性が集まる「地方の男性化・都会の女性化」の現象が顕著に見られます。地方に根強く残る性別役割分担意識を避けるように、9割以上の子どもを出産する20代・30代の女性が都会に流出する事を「地方消滅」とし、本県でも22の市区町村が「消滅可能性都市」に該当しています。
 そこで2点目に、私は、ジェンダーギャップの解消が、少子化対策と地方創生に有効だと考えますが、ジェンダーギャップと少子化の関係性に注目して、本県の少子化対策を進めてはいかがでしょうか、知事の認識を伺うとともに、今後の取組をお聞きします。

 次に、コロナ禍で疲弊した交通ネットワークの維持について質問します。
 コロナ禍から丸2年が経過し、製造業など、業績が回復した産業が見受けられ、今年度当初予算で県税収入が過去最高を計上するなど、一見、経済状況は最悪の時期から脱したかの様に見えます。
 しかし、鉄道各社においては、危機的状況からいまだ脱し切れておらず、JR九州の2021年度連結運輸営業収益はコロナ前の2019年比で62.7%、西鉄は73.2%にとどまりました。
 本県も人口減少局面に入った中、とりわけローカル鉄道を取り巻く環境は、益々厳しい状況に置かれる事は確実と言えます。本県の鉄道路線営業距離数は800.5キロであり、九州内で最長、全国でも第9位で、県内各圏域に鉄道網が整備されています。地域住民の日常生活や、観光振興による地域活性化にとって現在の鉄道は欠く事はできません。
 以下、公共交通を維持する観点から、知事に3点質問致します。
 まず1点目に、昨年12月定例会の我が会派の代表質問において、公共交通機関を利用した広域の旅行需要喚起策について質したところ、知事は「今後、公共交通機関の利用につながる様、鉄道やバスを組み込んだ旅行商品の造成を促してまいる」、「九州全域に利用対象者が拡大された際は、九州各県と九州観光推進機構、そして交通事業者、旅行事業者等と連携して、広域の旅行需要を喚起してまいる」と答弁されました。そこで、その成果をそれぞれ具体的にご披瀝下さい。また今後の更なる取組みもあわせてお聞きします。
 地域公共交通活性化再生法に位置づけられた地域公共交通計画は、実施主体が市町村である事から、当該市町村の枠内の交通機関のあり方を検討する事が主眼となっている現状があります。
 鉄道は、市町村の枠を超えた広域移動を前提とした交通手段であり、広域行政を担う県の役割は極めて重要です。これまでも日田彦山線活性化では本県議会でも大きな役割を担ってきたように、鉄道の維持・活性化のためには、県、沿線自治体、交通事業者が協力して広域的に取り組むことが必要です。
 そこで2点目に、県、関係自治体がJR・西鉄や平成筑豊鉄道・甘木鉄道・筑豊電鉄の地域公共鉄道3社と連携し、市町村の区域を越えた取組みを更に推進していくべきだと思いますがいかがでしょうか、お答え下さい。
 3点目に、いわゆる交通税についておたずねします。
 本年4月、滋賀県の税制審議会は、バスや鉄道といった地域の公共交通機関を支えるために、県民に新たな税負担を求める必要がある、という考えから交通税導入を提言、三日月・滋賀県知事も導入に向けた検討を行う事を表明しました。
 本県では、公共交通機関への支援策を補助金等でまかなってきましたが、人口減少や地域格差が大きくなる中、公共交通を社会に不可欠なインフラとして位置づけ、今後も継続的に維持するための方策として、交通税の導入を具体的に本県でも検討する時期に来たのではないかと思います。
 本県は、森林環境税の導入を始め、産業廃棄物税、そして一昨年は宿泊税も導入するなど、社会的課題解決のために、特定の使途を目的とした税の導入を行ってきました。
 そこで、本県における交通税の導入について知事はどのような認識をお持ちかお聞きします。

 続いて、高齢者福祉における低所得者への支援について伺います。
 高齢化の進展に伴い、年金支給額の減少や負担額の増加が大きな課題となっています。老齢厚生年金の支給額の状況を見ると、2019年では平均月額14万6162円ですが、10年前の2010年は15万3344円と、月額で7182円も減少しています。
 一方、所得の低い方の負担軽減を図るため、国が導入している補足給付制度は、2021年8月から預貯金額の基準が厳しくなり、年収120万円超の方が特別養護老人ホーム多床室に入所した場合、月額で約2万2千円の増額となりました。このため、低所得者の方が介護施設に入所することが収入面から困難になっているとの声があがっています。
 今後も、高齢者の低年金と福祉利用における負担増は、大きな影を落とす中、できるだけ低所得者の負担軽減策を図ることが必要だと感じます。 高齢者介護を担う社会福祉法人は、社会福祉事業を行う事を目的に設立されている法人で、その性格から法人税が非課税となるなど、大幅な税制上の優遇措置が講じられ、寄付金等の収入も認められています。
 そのため、社会福祉法人では、低所得者向けの負担軽減を行うため「社会福祉法人による低所得者に対する利用者負担額軽減制度」が導入されています。
 しかし、この制度はあくまでも社会福祉法人が市町村及び県にその旨を申請する方式となっている上、社会福祉法人が軽減額を一定額負担する必要がある事から、制度を活用しているのは、一部の社会福祉法人に限られているとお聞きしています。
 そこで1点目に、高齢者福祉における低所得者の利用が厳しい状況になりつつある現状についてどのように認識しているのか、お聞きします。
 2点目に、低所得者に対する利用者負担軽減制度を導入している社会福祉法人の割合についてお示し下さい。
 その上で、この利用者負担軽減制度を申請する社会福祉法人を増やす事、またその制度を低所得者の利用者に周知する事が大切です。それぞれについて、知事はどのように取り組むのか、お聞きします。