民主党・県政クラブ県議団 東北視察報告 その5
2012年5月27日〜29日

2018-09-03

南三陸漁業生産組合

南三陸漁業生産組合とは、漁協とは別に本年7月に設立された漁業生産者による組合。組合員は12名。宮城県内の養殖業者では初めての組合である。工藤忠清代表理事専務にご対応いただき、南三陸町の養殖漁業の復興の状況についての説明およびかき養殖場などをご案内いただいた。

◇ 復興の状況

ボランティアの方々の力もあり、再生は急ピッチで進んでいるとのこと。わかめはほぼ100%復旧。収量はそれほどではないが、値段が2〜2.5倍となったため収益が上がった。

震災後、資材が極端に不足していたため、中国からロープ10万メートルを輸入とするいう決断をした。「ロープの質が悪い」などの理由で輸入を躊躇していたところは、資材が手に入らず復旧が遅れてしまった。福岡県などから早期に支援いただいたことも大きい。これからはワカメ、昆布、ホタテ、牡蠣と収穫できる予定。

工藤忠清代表理事専務より説明を受ける.png工藤忠清代表理事専務より説明を受ける

◇ 組合設立について

工藤理事によると、「村井知事に漁業特区構想を聞き、悪くない構想だと思った。従来からある漁業協同組合は高齢化しており年金をもらっている人が多いため、収益を上げようという意欲に欠ける。新しく組合を作ってまとまれば、船や機械なども共有でき、効率化できる。漁法や技術も、親からだけでなく他の組合員からも伝授してもらえる。そうやってもっと効率を上げていくこともできる。組合員は各自が個人事業主で、収益を分配する。わかめの収穫シーズン中、組合としてはほぼ毎日営業したが、個人としては交替で休みをとることもできた。また、漁協から支給されるものは現場のニーズに合っていないものも多いが、どのような船や機械が必要かを組合員で協議して決定する。今は、使いたいものを県に申請しているので無駄を減らすことができる。」と意欲満々の説明を受けた。

◇ 養殖用牡蠣イカダ

福岡県では、「がんばろう中小企業プロジェクト」として、被災地の中小企業が求める支援ニーズと県内中小企業からの支援申出とをマッチングさせ、被災地へ機材等を提供している。このプロジェクトのもと、平成24年12月に、福岡金網工業(株)及び(株)富士エコ研究開発より養殖用牡蠣イカダ1基が南三陸漁業生産者組合へ寄贈された。

工藤専務の船でイカダまで案内いただいた。このイカダでは100連の種牡蠣が養殖されていた。他に2基のイカダで800連の種牡蠣を養殖しているが、この最初の1基がきっかけとなって認められるようになり、その意味でも、「福岡からの支援は本当に有難かった」とのことだった。

◇ 今後の課題や展望

また、「養殖では、特定の作物を好む寄生虫の繁殖など、連作障害が起こりやすい。それが今回の津波で寄生虫や海底の汚泥が流されたため、生育環境が改善し成長が良くなった。」とのこと。

一番の課題は、補助金の使い方が限定されており使いづらいこと。たとえば事務所の経費は対象となっていない。また、高齢者など時給が安くてもいいから働きたいという人がいても、「最低賃金」があるので雇いにくい。年間の一時期だけ季節的に雇うこともしにくい。もっと多様な働き方ができるように制度を工夫することはできないものだろうかと考える。

工藤専務の漁業にかける熱意と「漁業を魅力ある産業にすれば、若い後継者も育つ。知恵を出して頑張れば漁業で食っていけないことはない!」という言葉が強く印象に残った視察だった。

養殖用牡蠣イカダ.png福岡県内の中小企業から寄贈されたイカダ

養殖中の牡蠣の種牡蠣を引き上げる工藤専務.png養殖中の牡蠣の種牡蠣を引き上げる工藤専務

南三陸町復興商店街

南三陸町復興応援プロジェクトである「南三陸さんさん商店街」は、平成24年2月25日にオープンした。魚屋、肉屋、八百屋から美容院や花屋や食堂まで、プレハブの長屋に約30店舗が入居している。商店街がそっくりそのまま移動した格好だ。私たちを含め客の多くが、復興を支えようという気持ちから大量に買い物をしている姿がとても印象的だった。

「南三陸さんさん商店街」入口にて.png「南三陸さんさん商店街」入口にて

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