2012年2月議会・代表質問

2024-02-14

新しい公共について

昨年の六月、NPO法改正案と税制改正案が国会で成立し、NPO税制が大きく拡充されることになりました。これに伴い、本県でも昨年の十二月議会で関係条例の改正が行われ、NPOが財政的に自立できる基盤が整備されました。

NPOに係る法改正の主なポイントは、「税制優遇措置のある認定NPOの認定事務が国から都道府県・政令市に移管されること」、「認定NPOの認定要件が大幅に緩和されること」、「仮認定制度が創設され仮認定すれば、三年間は全てのNPOが認定NPOと同等の資格が得られること」、「寄付する側からのメリットとしては、寄付を行いやすい環境が整うこと」などがあげられ、これらの措置により、NPOの自立した活動が広がることが期待できます。

本県においては、二〇〇八年の本庁再編に伴い、新しい「共助社会づくり」を進めるために、新社会推進部を設置するなど、NPO、ボランティア、企業、行政などの多様な主体が互いに協力し、支え合う「共助社会」の実現をめざす取り組みが、精力的に進められていると思います。そこで。

一点目に、昨年3月末時点での本県のNPO法人数は一四三四法人で、全国では八番目に多い法人数だと聞いています。しかし、全NPO法人に占める認定NPOの割合は国レベルで〇・五四%、本県では〇・六七%となっており、制度の目的に照らし、制度のあり方に多くの疑問が投げかけられてきました。

このような中で、今回、法改正が行われ、認定要件が大幅に緩和されたことは、新たなNPO活動のスタートとして評価できます。また寄付する側にとっては、確定申告すれば最大五〇%の税額控除が受けられますが、このことは県民が行政の政策とNPOの取り組みとを比べ、それに見合うコストを税金として負担するか、寄付金として負担するかを選択できることを意味し、これまでの「公共」という考え方そのものにも発想の転換を迫るものだと思います。そこで、「共助社会」の実現をめざす取り組みを進めている本県として、知事は今回の法改正をどのように評価しているのかお聞きします。

二点目に、法改正により、認定NPOの認定事務が国から都道府県・政令市に移管されることにともない、これまで地域のNPO活動の窓口となってきた県内市町村では、申請手続きの方法や申請要件について、県からの考え方が示されていないために、地域のNPOからの相談に対応できていないとの指摘があります。

そこで、県が行う仮認定制度を含む認定NPOの認定事務について、早急に市町村や県内NPOに周知を図る必要があると思いますが、どのように対応するのかお聞きします。

三点目に、法改正の効果を最大限発揮するためには、県民による寄付の拡大を進めることや、県内のNPO自らが資金を調達する能力を高めることが必要となってきますが、寄付文化の醸成とNPO活動の自立に向け、県としてどのように取り組んでいくのかお聞きします。

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