2015年12月定例県議会 報告 その3

2024-02-14

二、代表質問

◎水害に備えた本県の広域避難等について (知事へ質問)

水害に備えた広域避難について
 市町村の避難場所に避難することが危険な場合、市町村が住民に対して、市町村以外の避難場所に避難誘導できるよう、県が支援すべきではないのか。
平成24年7月の豪雨では、朝倉市等、河川が増水し、あらかじめ指定されていた避難場所に向かうことが危険であったため、近隣市に避難したケースがあった。
 県は、市町村に対し、浸水や土砂災害の警戒区域を踏まえ、避難経路及び避難場所の安全点検を行うよう求め、安全性が確保されない避難場所は、近隣の市町村に所在する県有施設などを避難場所として活用できるよう広域的な調整を行った。
 県として、住民が安全に避難できるよう、このような広域的な調整を行い、市町村を支援する。

広域の「洪水ハザードマップ」の作成について
 近隣の市町村を含めた広域のハザードマップとすべきではないのか。
洪水ハザードマップは、災害時に住民の円滑かつ迅速な避難行動に役立てるために、浸水想定区域や避難場所等を住民にわかりやすく示した地図で、水防法に基づき、市町村が作成・公表する。
 今回の関東・東北豪雨災害を踏まえ、国は市町村を越えた広域避難を課題の一つとしている。県も、必要に応じ隣接市町村の避難所が示された洪水ハザードマップを作成することが、重要と認識。
 現在、県内の作成対象53市町村全てが、洪水ハザードマップを作成・公表。
 隣接する市町村の避難所が示されているのは、柳川市のみ。
 県は、氾濫・地形特性から隣接市町村の避難所に避難した方がより有効な場合には、実情に応じた洪水ハザードマップを作成するよう、市町村に働きかけていく。

県内市町村の災害対策本部の浸水対策について ※翌日、新聞報道。
 浸水想定区域内に庁舎がある自治体数、そのうち非常用電源を設置していない自治体数、非常用電源設置自治体のうち浸水の恐れがある自治体数と、これら自治体に対し、速やかに是正を働きかけるべきと考えるが、その見解を問う。
県内市町村のうち、津波や洪水等による浸水想定区域内に庁舎が所在するのは22団体。そのうち、非常用電源を設置していないのは6団体。
 非常用電源を設置している16団体のうち、浸水の恐れがあるのは7団体。
 県は、非常用電源未設置の6団体に対し、速やかな設置を強く求め、非常用電源の設置場所が浸水する恐れがある7団体に対し、設置場所の見直しや防水扉の整備等、必要な対策を講じるよう要請。

福岡県が管理する河川の改修について 
 県管理の334河川についての河川改修の考えと、現在、河川改修を実施している箇所数と延長はどのくらいか。
過去の浸水被害、流域の家屋等の集積状況や人口等を勘案し、改修の優先度が高い河川から実施。災害の防止、費用対効果等を総合的に勘案し、河川の断面をどの程度拡大するかといった、改修の規模を定め実施。
現在、53河川、約274kmの改修を実施中。

近年の降雨状況に対応した河川改修について 
 鬼怒川は10年に1回の洪水に耐える改修を行っていたが洪水が起こった。近年の降雨状況を考えると、もっと大きな洪水に対応した改修をすべきではないのか。
限られた予算の中で、早期に整備の効果が発揮できるよう、費用対効果等を総合的に勘案し改修の規模を定め、事業を実施。
 災害時の避難行動や水防活動が適切に実施できるよう、浸水想定区域の公表や河川の水位情報の提供といったソフト対策にも取り組んでいる。
 現在、国では、鬼怒川等で発生した大規模水害を踏まえ、今後のハード対策のあり方も含めた治水対策について、検討を行っている。本県として、今後明らかになる国の検討結果も踏まえて、県管理河川について適切に対応。

ビッグデータを活用した災害対策について 
 ビッグデータを活用した災害対策が必要と考えるが、基本的な考え方を問う。
国は、民間事業者の協力を得て、
 ① 携帯電話やカーナビ等の位置情報から混雑状況を把握し、帰宅困難者の避難誘導や救援物資の円滑な搬送に役立てる。
 ② モバイル端末を活用し、被害情報の伝達・収集を行う。
 等の実証実験を行っている。
 県は、国の実証結果や民間事業者等の検討状況を注視し、防災分野におけるビッグデータの活用方策について研究していく。