2018年9月定例県議会 報告 1

2024-02-14

【概要】

 9月県議会は、9月7日に開会し、10月12日まで36日間の会期で審議が行われました。
 今議会では、予算案1件、条例9件、契約4件など計21件の議案の提案がありました。
 主な提出条例は、「福岡県議会議員及び福岡県知事の選挙における選挙運動用自動車の使用及びポスター等の公営に関する条例の一部を改正する条例」、「福岡県個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例」「福岡県青少年健全育成条例の一部を改正する条例」などです。
 今回の代表質問に先立ち、2か月前から11回の政策審議を行いました。
 代表質問の登壇者は、大田京子議員で、県政推進の基本姿勢について6項目、農林水産行政について1項目、障がい児保育の拡充について、教育行政について1項目、計9項目にわたり、知事並びに教育長に質しました。
 一般質問にはわが会派から8人が登壇しました。
 9月27日には、21件の議案と、意見書としてわが会派が提出した「地方財政の充実・強化を求める意見書」、わが会派が共同提案した意見書3本計4本が採択され、わが会派が賛成した『「主要作物種子法」の復活を求める意見書』については、自民党、公明党、緑友会の反対により否決されました。
 10月12日の最終日には、県職員の不祥事が1年間で8件と相次いだ状況を鑑み、「平成29年度福岡県一般会計決算」が不認定となりました。その他の決算関係議案については、「平成29年度財政調整基金特別会計決算」など19件が認定されました。また、議員提出議案として「福岡県議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する醸成の一部を改正する条例の制定について」が可決されました。
 9月議会におけるわが会派の代表質問の概要、および一般質問・決算特別委員会における質疑の項目は以下の通りです。

【代表質問】9月13日 登壇者 大田京子 議員(福岡市南区選出)

一、県政推進の基本姿勢について

1.県職員による不祥事の再発防止

①昨年8月からこの1年間で8人の逮捕者がでるなど、不祥事が相次いでいるが、今後の不祥事再発防止について。
②不祥事が相次いでいる事態について、知事はその責任をどのように受け止めておられるのか。

【知事答弁】
①様々な機会を通じて、職員に声をかけ、意見を聴き、信頼関係の構築に努めている。これからも風通しの良い職場づくりに全庁を挙げて取り組み、不祥事の再発防止に努めてまいる。
②県行政のトップとして責任を痛感しており、再発防止に全力で取り組むとともに、県政の推進に邁進し、県民の皆様の信頼を回復しなければならないと考えている。

2.西日本豪雨災害への対応

①2018年7月の豪雨災害における、県管理河川での被害状況と特徴について。
②県管理河川の維持管理や改修工事について、どのような優先順位をつけているのか。
③今後の浸水対策を含む防災対策の充実について。
④土砂災害対策について。

【知事答弁】
①浸水被害が49河川、護岸や堤防の施設被害が373箇所で発生している。今回の豪雨では、昨年の九州北部豪雨のような局所的な被害とは異なり、県内の広い範囲にわたり、被害が発生している。
②維持管理については、所管の県土整備事務所が治水上の安全度を判断し、実施している。河川改修については、過去の浸水被害、流域の人口や家屋などの集積状況、費用対効果などを総合的に勘案し、優先度が高い河川から実施している。
③今回の災害で特に被害が大きかった河川については、浸水状況やその要因を共有し、点検、確認、検証を行ってまいる。国や特に甚大な被害を受けた広島県、岡山県においても検証を行うこととされており、今後これらの検証結果を踏まえて、必要に応じて地域防災計画の改正などを行っていく。
④県では8箇所の災害関連事業が採択された。さらに、国により全国を対象に激甚災害に指定されたことから、高さ5m以上、保全家屋数2戸以上のがけ崩れ箇所についても、市町村において災害関連事業を実施することが可能となった。県としては、市町村に対する技術的支援を行いながら、事業採択に向けて国に働きかける。

3.在福岡タイ王国総領事館の開設を契機とした日タイ交流の促進

①バンコク都及びバンコク都議会との友好提携を軸にした交流の成果と意義について。
②総領事館開設に向けた進捗状況と開設を契機とした交流深化のための取組みについて。
③タイとのスポーツ交流の推進について。

【知事答弁】
①このたびの総領事館の福岡設置は、県議会及び県が相互に連携し、タイとの交流を積み重ねてきた結果が結実した大きな成果である。福岡県とバンコク都のみならず、日タイ間の交流に更に弾みをつける上で大変意義深いものであると考えている。
②現在タイ政府において、開設に向けた準備を着々と進めているところである。タイ総領事館開設を大きな契機として捉え、人的交流を一層促進するとともに、経済交流、文化交流等の拡大につなげていくなど、バンコク都をはじめタイ王国との友好交流関係を更に強化していきたい。
③タイ政府のスポーツ庁関連事務所が本県に設置されることとなれば、タイと本県とのスポーツを通した交流が推進されることにもなる。まずはタイ政府の意向等情報収集に努めていく。

4.入札評価項目の見直し

①近年の建設労働者不足に対する認識について。
②入札参加資格審査の加点評価に地域貢献活動を導入した目的及び成果について。
③建設労働者の適切な賃金・労働条件確保を地域貢献活動評価項目とすることについて。

【知事答弁】
①本県では、建設業関係職種の求人が求職を大きく上回る状態が続いており、その中でも建設躯体工事の職業では深刻な人手不足に直面している。この状況を踏まえ、本年度から新たに、認定職業訓練に「躯体基礎科」を加えた。
②県が推進する施策への積極的な協力を促すため、平成25年度から導入している。地域貢献活動の実績の申請件数は年々増加してきており、企業における地域貢献活動の取組みは着実に広がっている。
③働き方改革を通じた、労働環境の改善や適正な労働条件確保の取組みについて、加点評価の項目に追加できないか、検討を進めていく。賃金は本来労使間で自主的に決定されるものであり、これを加点評価の項目に加えることについては労使双方の意見を十分に聴いた上で、慎重に判断しなければならないと考えている。

5.外国人のための医療体制の整備

①県内25消防本部における119番通報への3者(通報者、消防本部の指令員及び通訳者)間同時通訳の導入について。
②外国人のための医療相談体制(「医療に関する外国語対応コールセンター」)について。

【知事答弁】
①16消防本部がすでに導入済みであり、残り9消防本部のうち、7消防本部が東京オリンピック・パラリンピック開催までに導入することとしている。残り2つの消防本部に対し、東京オリンピック・パラリンピック開催までに導入するよう、促してまいる。
②県では、医療通訳についての知識や経験、語学力、通訳者の技能向上などについて審査を行い、「医療に関する外国語対応コールセンター」の事業者を選定している。通訳者の語学認定の取得を進めていくよう、受託事業者と協議しているところである。