2020年(令和2年)2月定例県議会 報告 3

2024-02-14

代表質問の質問、及び答弁(各質問毎の要約)

一、県政推進の基本姿勢について

2.新年度予算と県政運営方針について

○来年度の目玉となる予算について
 地方分権一括法施行から20年目となる来年度の本県独自の目玉施策は何か、その施策に取り組む理由も併せて問う。
【知事答弁】令和2年度当初予算では、「豪雨災害の復旧・復興、防災減災」を加速するとともに、誰もが住み慣れたところで「働く」「暮らす」「育てる」ことができる地域社会づくりに取り組む。
 目玉施策として、①朝倉地域の営農の産地復興のため、被災者と地域外からの新たな担い手に対する支援、②宿泊税を活用し、宿泊施設整備支援と、市町村が実情を踏まえた観光振興策への交付金の交付による県全体の観光の底上げ、③アスリートの計画的・継続的な育成・強化と大規模スポーツ大会の誘致・開催に取り組むための基金の創設、④起業家養成の動きが活発化しており、ベンチャービジネス支援協議会のプラットフォーム機能の強化、⑤農林水産業を「稼げる、魅力ある産業」にしていくため、「福岡の八女茶」ロゴマークを活用したPRのほか新品種の技術開発など一層のブランド力強化、⑥虐待対応件数の増加等に対応するための児童相談所の体制強化、を行う。

○防災・減災を強化するため来年度重点的に進める公共事業について
 記録的な豪雨や台風による自然災害に対し、強い県土を整備し、県民生活の安全・安心と経済活動を支える一層の防災・減災対策を強化するための重点的に進める公共事業を問う。
【知事答弁】平成29年7月の九州北部豪雨災害以来、3年連続で災害を受けた。道路、河川、砂防ダム、農地、農業用施設など、原形復旧のみならず、河道の拡幅、橋梁の架替、ため池の洪水吐の改良など改良復旧を併せて行っており、復旧・復興に全力をあげる。
 また、激甚化する大雨による被害の軽減・防止を図るため、河道掘削や築堤などの河川整備や防災重点ため池の整備、土砂災害を防ぐための砂防施設の整備などを、重点的に進める。今後とも、「安全、安心で災害に強い福岡県」の実現に取り組んでいく。

○「地方自治の本旨」と「圏域単位での行政のスタンダード化」について
 憲法上保証された地方自治の本旨である団体自治、及び住民自治をどう認識しているか。また、これに反すると思われる「圏域単位での行政のスタンダード化」への見解を問う。
【知事答弁】憲法に規定される「地方自治の本旨」は、地域行政は住民自身の責任と決定で行う「住民自治」、それを実行する地方自治体の自主性、自立性が発揮できるようにする「団体自治」、この二つを保障するものと理解している。
 「圏域単位での行政のスタンダード化」は、総務大臣が設置した「自治体戦略2040構想研究会」が、2040年頃の人口減少・少子高齢化に向け、持続可能な行政サービスの実現の議論を活発化させようと提言したものである。
 地方自治体の連携の議論は、現在、第32次地方制度調査会に審議の場に移されているが、広域連携は各自治体の自主性、自立性を尊重すべきで、「住民自治」、「団体自治」という「地方自治の本旨」に則って行われるべきである。

○都道府県と市町村の関係と「二層制の柔軟化」について
 都道府県と市町村の関係はどうあるべきと考えているか。また、「都道府県・市町村の二層制の柔軟化」をどう理解し、認識しているかを問う。
【知事答弁】都道府県には、広域的な事務への対応に加え補完機能や広域調整機能が求められる。具体的には市町村を補完・支援するため、①職員による技術支援、専門職員の共同研修や共同採用試験の実施、事務の共同執行等の柔軟な連携を進めること、②市町村の自主性・自立性を尊重しつつ市町村間の連携を支援することが必要である。
 本県では、これまで、個人住民税徴収の共同処理、税務職員の合同専門研修、昨年4月の田川1市3町水道事業の経営統合に対する支援、また、今年4月には、大牟田市保健所の業務を引き受ける予定。
 「自治体戦略2040」の「都道府県・市町村の二層制の柔軟化」において、「大都市等を中心とした圏域の行政は、大都市等による市町村間連携にゆだね、小規模市町村による圏域の行政は、県が補完する」などの方向性が示されたが、県内の全区域に責任を有する広域自治体である県としては、市町村の規模や、核となる都市の有無にかかわりなく、冒頭に述べた都道府県の役割・機能を果たす必要がある。

○「自治体戦略2040」に対する見解や対処について
 自治体のあり方に関する審議は、自治体の意見を慎重に拾い拙速に結論を出すべきではないと考えるが、「自治体戦略2040」に対し、どの様な見解を持ち、どう対処するつもりか問う。
【知事答弁】自治体の連携の在り方についての私の立場は、前の答弁のとおりであり、地方制度調査会における今後の議論を注視し、必要に応じ、全国知事会をはじめ他の関係団体と連携しながら地方制度調査会に対し意見を述べてまいる。