2020年(令和2年)2月定例県議会 報告 4

2024-02-14

代表質問の質問、及び答弁(各質問毎の要約)

一、県政推進の基本姿勢について

3.豪雨災害からの復旧・復興と今後の対応について

○赤谷川、乙石川などの復旧について
 国の権限代行で進められている応急的な河道確保は完了し、本復旧に昨年11月着手したと聞く。一日でも早く本復旧が完了するように取り組むべきだが、見解を問う。
【知事答弁】応急的な河道確保は完了し、令和元年11月から改良復旧工事に着手、令和3年度末の完成を目指しており、県議会とともに国に対し必要な予算措置を要望している。
 また、円滑な事業進捗を図るため、工事の地元説明会において、国と一緒に丁寧な説明に努め、河川工事に伴う用水路や水道管の移設調整などを取り組んでいる。今後とも、赤谷川、乙石川などの改良復旧工事の早期完成を図れるよう取り組んでまいる。

○長期避難世帯認定の解除について
 朝倉市は今年度末をめどに、県に対して長期避難世帯認定の解除を求める方針を決めている。長期避難世帯の解除に関する考えを問う。
【知事答弁】長期避難世帯とは、自然災害による危険な状況などで住宅が居住不能となり、かつ、その状態が長期になると見込まれる場合、国と協議の上、県が認定する。朝倉市の一部地域では、平成29年の発災後も、大雨等の警報が発令されると直ちに避難勧告が発令される状況が継続し、また、河川、砂防等の災害復旧工事が長期間続く見込みであったため、平成30年10月に認定を行った。
 昨年12月に、朝倉市から認定の解除申請の検討を進めたいとの相談があり、県は、申請に必要な手続きの助言を行った。認定解除には、住民の生命、身体の安全の確保が前提であり、申請があった場合には、災害復旧工事の状況、安全性に関する専門家の意見、住民の意向等の確認し、その上で、国と協議を行い、認定解除の判断を行う。

○JR日田彦山線沿線の振興策にかかる町村長との協議について
 12月議会で復旧方針を質した際、沿線地域の実情に応じた振興策も添田町長、東峰村長と協議を行うと答弁されたが、いつどの様な話し合いが行ったのか、具体的に説明願う。
【知事答弁】先の復旧会議では、JR九州から、①停留所の増設、②バリアフリー車両の導入、③ロケーションシステムの導入や使いやすいダイヤ設定、④鉄道跡地の利活用案、など地域振興につながる内容を含む新たなBRTでの復旧案が提案された。
 この会議を受け、添田町では住民とJR九州の意見交換が行われており、東峰村では復旧会議の結果を村民に伝える予定と聞いている。沿線地域の振興策は、このような意見交換を積み重ね、その結果も踏まえて、今後、添田町長や東峰村長と協議を行っていく。

○JR日田彦山線の復旧に対する考え方について
 第5回日田彦山線復旧会議での知事の発言はBRTありきの発言と思われる。鉄道での復旧に対する見解を問う。また、関係自治体の意見を聞き、3月末までに結論を出すとされているが、いつ意見を聞き、いつ県民に結論を伝えるのか、それまでのプロセスも問う。
【知事答弁】平成29年7月の発災直後、鉄道復旧を願う住民の思いを受け止め、地元の県議会議員、沿線の町村長とJR九州本社に鉄道による早期復旧を要請した。また、平成30年10月には、関係自治体に呼び掛け、一緒に国土交通省事務次官・鉄道局長に路線の維持に向けた指導を要請した。更に、JR九州が運行経費に係る自治体の財政支援を求めてきた際には、青柳社長と面談して地域の思いを伝えた。このほか、政府・与党に日田彦山線の早期復旧を県議会とともに要望してきた。
 こうした中、昨年4月の復旧会議で、JR九州から財政支援を含む1億6千万円の収支改善が必要とした鉄道復旧案の他、新たに、BRTや路線バスによる復旧案の提示があり、地域の意見を聞くことになった。その地域での意見交換を経て、2月12日の復旧会議では次の3点が確認された。①鉄道復旧のためには財政支援を含む年間1億6千万円の収支改善が必要なことをJR九州が地元に引き続き説明に努める、②JR九州からの新たな復旧案をJR九州がブラッシュアップし次回の復旧会議で議論する、③3月末までに復旧会議を開催し復旧方針の合意を目指す。
 私は、地域にとって最善の方法は何かと考えながら、取り組んできたが、今日まで、復旧方針の決定に至っておらず、申し訳なく思っている。
 現在、添田町では住民とJR九州の意見交換が行われ、東峰村では復旧会議の結果を村民に伝える予定と聞いている。こうした意見交換を積み重ね、その結果も踏まえ、被災前と比べ、①運行本数や乗降可能な場所と数、バリアフリー化など利便性の向上、②交通ネットワークが継続できるか、③観光や地域の振興につながるか、という観点から検討し、添田町・東峰村両首長と協議をし、年度内に復旧の方向性について決断してまいりたい。