2020年(令和2年)6月定例県議会 報告 5

2024-02-14

6月代表質問(質問要旨、答弁要約)

一、新型コロナウイルス感染症対策について
3.休校後の学校のあり方について
○ 第二波の感染拡大が起こった場合の休業の取扱いについて
 第二波が起こった場合、休校はどのような基準で誰が決定するのか、問う。

【教育長答弁】再び大規模感染が生じた場合、国の緊急事態宣言や知事の休業要請を踏まえ、感染症の専門家の意見を聞いた上で、各教育委員会又は校長が臨時休業を決定する。感染の規模が小さい場合、各教育委員会又は校長が、地域の感染状況を踏まえ、地域或いは学校の単位で臨時休業の判断を行う。判断に当たっては、感染防止対策を徹底しながらできる限り学びの保障との両立を図ることに留意する考え。

○ 第二波感染拡大に備えた公立学校の授業体制について
 第二波の感染拡大が起こった場合、オンライン学習の効果などを踏まえ、授業はどのような体制で行うつもりか、問う。

【教育長答弁】オンライン学習は双方向でコミュニケーションが図れる、情報伝達が迅速にできる、などの利点があり紙の教材と併用することで効果的な学習が可能と考える。このため、第二波での臨時休業に備え、実施環境の整備を急ぐ必要がある。一方、家庭のインターネット接続環境に違いがあるという課題があるため、県立高校については、貸与できるタブレット型パソコンなど必要な機器を可能な限り速やかに整備し、全県立高校でオンライン学習が安定的に実施できるよう取り組んでまいる。
 また、市町村立学校も、市町村教育委員会において国の補助金を活用しオンライン学習に必要な機器の整備が進められている。同時に、そのような機器を活用して教育の高度化を図ることも重要で、県教育委員会としても、先進事例を周知するなどの支援をしてまいる。

○ 高校入試における対応について
 中学校3年生は、来年の高校受験の出題内容や実施時期に大きな不安を抱えている。国は入試で配慮するように通達を出しているが、本県ではどう対応するのか、問う。

【教育長答弁】臨時休業が長期にわたりスポーツ・文化関係の大会等が中止・延期となっていることから、来年度の高校入試については志願者が安心して受験できるよう特に配慮する必要がある。このためいわゆる一般入試は学校再開後の中学3年生の学習状況を踏まえた出題の範囲・内容とすること、推薦入試は大会等への不参加が志願者の不利益とならない取扱いとすることなどの配慮事項を、6月8日付けで各市町村教育委員会に通知したところ。
 なお、現時点では例年どおりの時期に実施することとしている。

○ 学習内容の見直しについて
 コロナの影響が複数年に及ぶ可能性もあり、子ども達の心身の健康、本当の「学力」の観点から、学習内容を見直し、スリム化する必要があると考えるが、教育長の認識を問う。

【教育長答弁】学習指導の内容は、文部科学大臣が公示する学習指導要領によるとされている。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動について、6月5日付けの文部科学省通知では年度当初に計画した指導内容を本年度中に終えることを原則とし、それが困難な場合には授業での学習活動を重点化し効果的に指導する考え方が示されている。
 県教育委員会は、例えば、教科や単元の指導順序の変更や他教科の類似の指導内容の関連づけなどの具体例を示すことで、効率化を図りつつ児童生徒の「学びの保障」がなされるよう、支援や助言を行うこととしている。

○ 学校行事等の精選及び簡素化について
 学校では次々に行事が積み上げられ、子ども達への負担増加、教職員の過剰労働となっている。学力テストの中止、学校行事を精選、簡素化すべきと考えるが、教育長の考えを問う。

【教育長答弁】学力調査は、児童生徒の学力状況をきめ細かく把握・分析し教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るために実施しているもので、本年度の実施時期や方法などについて、学校再開後の状況等も十分に踏まえ検討を行っているところ。
 学校行事等は、常に時代に応じた見直しが必要で、近年では教職員の働き方改革のため「学校行事の見直し」を勧めてきた。今後の学校運営は、新型コロナウイルスの感染リスクがゼロとはならないとの認識に立ち、感染リスクを可能な限り低減させながら教育活動を継続していかなければならない。
 このため、必要な授業時数の確保や感染症対策のための工夫としても、学校行事等の精選や簡素化に継続的に取り組む必要があると認識しており、今後も促してまいる。

○ 少人数学級の取組みについて
 我が会派は、教育的視点から少人数学級の実現を求めてきた。「脱三密」の点からも少人数学級の実現と、必要な教職員の定数見直しをすべきではないか、問う。

【教育長答弁】小中学校における少人数学級は、従来の教科指導、生徒指導の面に加え、感染症予防など児童生徒の安全・安心の観点からも重要な取組みであると認識。
 このため、今年度、県教育委員会は国の加配定数などを最大限活用し、特に小・中学校の最終学年について、地域の感染状況に応じた少人数編成の取組みを支援していく。また、遠隔教育や分散授業などコロナ後の学校教育の在り方を検討しつつ、必要な教職員定数の改善について国に強く要望していく。