2021年(令和3年)2月定例県議会 報告 9

2024-02-14

民主県政県議団代表質問・答弁骨子

問 児童相談所の機能強化について
 【知事職務代理者】県では、児童虐待防止法が施行された平成12年度からこれまでに、県内6つの児童相談所の児童福祉司を29名から100名に増員。また、保護者からの威圧的な要求等への対応や管轄警察署との連絡調整などを行う4名の警察官を配置するなど、体制強化を図ってきた。併せて、迅速な児童の保護と、信頼関係に基づいた保護者、児童への支援が可能となるよう、今年度から、一時保護の介入的対応と保護者支援を行う業務を、担当職員を分けて実施。
 児童相談所が対応する相談件数が全国、県ともに増加する中、「施設への入所措置」、「親権喪失・停止に係る審判の申し立て」など、法的に複雑かつ困難な対応を要する事例も増加し、現在、福岡児童相談所に配置している常勤の弁護士1名に加え、来年度、新たに田川児童相談所に1名を配置。施設整備について、これまで宗像児童相談所の移転新築、久留米児童相談所一時保護所の新築、田川児童相談所の事務室拡充に取り組んでまいったが、来年度は、福岡児童相談所一時保護所の個室化工事、及び、一時保護所を併設した京築児童相談所の移転新築に係る基本設計に着手する。

問 過疎地域振興の課題について
 【知事職務代理者】過疎地域では、人口減少や少子高齢化が急速に進んでおり、地域の担い手の確保、買い物弱者への対策、生活交通の確保などが課題。県は、中山間・過疎地域等において、買い物、医療、福祉などの機能を基幹集落に集め、周辺集落とコミュニティバス等の交通ネットワークで結ぶことで集落の維持を目指す「小さな拠点」づくりを推進してきたが、過疎地域では、5市町村の取組みに留まる。このため、昨年度、「小さな拠点」づくりに必要な担い手となる人材や組織の活動を支援する補助制度を設けており、その活用を市町村に促し、過疎地域における「小さな拠点」づくりを一層推進してまいる。また、「ふくおかよかとこ移住相談センター」を通じて本県に移住した方の移住先は、全体の約4分の3が福岡都市圏となっており、移住先の偏りが見られる。
 そこで、過疎地域を含む県内各地域への移住を推進するため、新型コロナウイルス感染症の拡大や自然災害の頻発により、地方への移住の機運が高まっているこの機会を捉え、テレワークを活用し、地方で生活しながら仕事ができる新しい働き方に対応したサテライトオフィス等の受入環境の整備を進める。さらに、首都圏等からの移住を推進する移住支援金の対象職種に、新たに農林漁業を加え、農山漁村の人材確保を図る。これらを通じ、過疎地域への移住・定住を推進し、その振興を図る。

問 新過疎法制定に向けた県の働きかけについて
 【知事職務代理者】知事と県内過疎市町村長で構成する「福岡県過疎地域振興協議会」では、コロナ禍で緊急事態宣言下にあった昨年5月、自民党過疎対策特別委員会、総務省及び本県選出の国会議員に対し、現行法の失効後も、引き続き、総合的な過疎対策が行われるよう新法を制定すること、現行過疎地域を継続して指定すること等について、書面で要望を行った。さらに、11月には、知事と8人の市町村長による要望活動を行い、現行過疎地域を継続して指定することと、指定から外れる市町村が生じた場合でも、経過措置に万全の対策を講じることを要望したところである。
 この間、県議会におかれても、「過疎地域活性化対策福岡県議員連盟」を通じ、昨年1月と10月の2回、自民党過疎対策特別委員会等に対して、精力的に要望活動を行っていただいた。

問 大牟田市が過疎地域から外れる予定に対する認識と外れた後の県の支援について
 【知事職務代理者】大牟田市は、市税収入の増加や公債費抑制の取組みなどの結果、財政力が向上し、指定要件の一つとされている財政力指数が、全国の市町村の平均を上回ることとなったため、過疎地域の指定から外れる見込みである。新過疎法案は、過疎地域から外れる団体について、3年間の税制特例や地方税の課税免除等に伴う減収補てんの措置が認められるほか、現行法の5年間を上回る6年間は、起債充当率や交付税措置率が有利な過疎対策事業債の発行や国庫補助率のかさ上げの措置を受けられるなど、手厚い経過措置が設けられている。
 県としては、大牟田市に対し、これらの経過措置を有効に活用できるよう、また、中長期的な視点に立った計画的な財政運営を行えるよう、助言と情報提供を積極的に行ってまいる。

問 新法成立を踏まえた過疎対策の進め方について
 【知事職務代理者】現在検討されている新法案では、過疎地域の持続的発展を図るため、県は、産業の振興や交通通信体系、生活環境の整備、医療の確保、教育の振興などに関する基本方針を策定することとされている。また、この方針に基づき、県と市町村は、それぞれ施策を推進するための計画を定めることとされている。この基本方針や県計画の策定にあたっては、市町村との意見交換や個別のヒアリングを通じて、過疎地域の現状や、市町村からの要望、意見を把握し、その内容を県の関連施策に反映させてまいる。
 また、市町村が計画を策定する際には、先進事例の紹介や、国等の支援制度の活用などに関する助言を行い、過疎地域の持続的発展を支援してまいる。新しい法律のもとでも、より一層、市町村とともに、過疎地域の振興を図ってまいる。