2021年(令和3年)6月定例県議会 報告 3

2024-02-14

民主県政県議団 代表質問 登壇者 冨田 徳二

一、県政推進の基本方針について
2.ジェンダー平等の推進について
問 ジェンダー平等社会について
 ジェンダー平等社会は、誰もが人権を尊重され、社会のあらゆる分野で自分に合った生き方を選択し、個人として持つ能力を発揮することができる社会であり、目指すところは男女共同参画社会と同じであると考えている。
 ジェンダー平等社会の実現に向けた取組みの対象には性的少数者も含まれている。一方、男女共同参画の取組みは、「男性」と「女性」だけを対象としているかのような印象を持たれる面もあるが、本県ではこれまで男女共同参画計画に、性的少数者に関する人権教育・啓発の実施やDV相談等における性的少数者専用の相談の実施を盛り込み、施策の対象として広げてきたところである。
 
問 「ジェンダー平等」の理念の政策等への反映について
 国連が掲げる持続可能な17の開発目標であるSDGsの1つに「ジェンダー平等を実現しよう 」が掲げられているなど、社会における「ジェンダー平等」という言葉に対する認知と理解が徐々に広がっている。
 一方、ジェンダー平等社会の実現にあたっては、働く場や地域・社会活動における様々な政策・方針決定過程への女性の参画が男性に比べて低いことや、社会全体における性別役割分担意識や無意識の思い込みの存在などの課題がある。
 今後、このような課題を踏まえ、性的少数者の方々や専門家、男女共同参画審議会の皆さんから幅広くご意見などを伺いながら、ジェンダー平等に対する理解を深め、私をトップとし、各部長を構成員とする男女共同参画推進会議において、他の自治体の先進的な取組みなども共有し、名称の使用も含めて、本県の政策への反映について検討してまいる。

3.次代を担う人財の育成
問 次代を担う人財の育成について
 私は人こそが宝だと思っている。これから様々な技術が発達したとしても、将来の福岡県をつくっていくのは、やはり「人」である。
 近年、情報化、国際化の急激な進行はもとより、これまで経験のない大規模災害や感染症の発生など、先を見通すことが難しい時代になってきている。こうした時代を生き抜くためには、自ら課題を見つけ、学び、考え、判断して、解決に向けて行動していくことが重要であると考える。
 まずは、青少年の皆さんが、県内どの地域に居ても、格差なくしっかり学ぶことができるよう、ICTの整備など、充実した教育環境の整備に取り組んでいく。その上で、様々な経験、体験を通じて、自らの可能性に気づき、能力を磨き、夢に向かってチャレンジしていく青少年を全力で応援していく。
 このため、こうした施策の基本となる新しい青少年プランを、1年前倒しで今年度策定することとし、4月23日、外部有識者による専門委員会議を立ち上げ、検討を開始しているところである。さらに、地域の活性化、産業・経済の発展、スポーツ、文化・芸術の振興など様々な分野で活躍し、福岡県の発展を担う人財の育成に、全庁を挙げて取り組んでいく。

問 次代を担う人財の育成について(教育長答弁)
 今日、デジタル化・オンライン化の急速な進展により社会の在り方が劇的に変わることが見込まれる中、未来を担う子供たちに、多様な他者と協働しながら社会的な変化を乗り越えつつ、持続可能な社会の創り手となるための資質能力を身に付けさせることが、今まで以上に求められている。
 このため、本県の学校において、社会の変化に主体的に対応するための思考力、創造力、情報活用能力に加え、文化や言語が異なる他者と協働するためのコミュニケーション能力等を着実に育成していくことが重要であると考えている。
 このような課題認識の下、ICTを活用した効果的な学習や、教科の枠に捉われない課題解決型の学び、英語によるコミュニケーションを実践する取組みなどを推進してまいる。
 私としては、学校をはじめ家庭や地域での教育が、これからの福岡県を担う人財の育成の基盤であることを肝に銘じ、全力を尽くしてまいる所存である。

4.児童虐待対策について
問 児童虐待死事案について
 本県では、近年、子どもが虐待等により亡くなる、大変痛ましい事案が続けて発生している。
 誠に無念であり、二度とこのようなことを起こしてはならない。子どもの命と権利を断固として守っていかなければならないと考えている。
 これらの事案については、現在、外部有識者で構成する「児童虐待事例等検証部会」において、発生原因の分析、児童相談所等関係機関の対応の検証を行い、7月を目途に提言をいただく予定となっている。
 
問 児童相談所の体制強化について
 児童虐待の発生予防から自立支援まで一連の対策の強化を図るため、平成28年度に児童福祉法が改正され、県では、これまで6つの児童相談所の児童福祉司を73名から113名に大幅に増員してきた。本県における昨今の児童虐待件数の増加や事案の複雑困難化に対応するため、引き続き、計画的に増員を図ってまいる。
 また、保護者からの威圧的な要求等への対応や管轄警察署との連絡調整などを行うため、昨年度、警察官を2名から4名に増員したほか、法的な対応を要する事例に対応するため、今年度、常勤の弁護士を1名から2名に増員するなど、体制の強化を図っているところである。
 施設整備については、これまで、宗像児童相談所を移転新築し、新たに一時保護所を併設したほか、久留米児童相談所の一時保護所の新築、田川児童相談所の事務室拡充を実施してきた。今年度は、福岡児童相談所の一時保護所の個室化工事を行うとともに、新たに一時保護所を併設した京築児童相談所の移転新築に係る基本設計に着手してまいる。