2021年(令和3年)12月定例県議会 報告 2

2024-02-14

民主県政県議団 代表質問 登壇者 山本耕一

 民主県政クラブ県議団の山本耕一です。会派を代表して質問をしてまいります。
 
 質問に入ります前に、まず、先月2日に亡くなられた小川洋前知事に、心からの哀悼の意を表します。福岡県民を幸福にするため力を尽くされた小川前知事の遺志をしっかりと受けとめ、我が会派としてその思いに応えるべく、全力を尽くすことをここにお誓い申し上げます。

来年度の予算編成及び行政改革大綱について
 それでは質問に入ります。
 最初に、次期福岡県総合計画、来年度の予算編成及び行政改革大綱について質問します。
 まず次期総合計画についてお聞きします。
 服部知事が本県で実現したい思いは、選挙公約である「『未来を拓く』はっとり誠太郎政策集」に記されています。その冒頭には「三つの挑戦」とあり、「次代を担う『人財』の育成」、「世界の舞台で勝負できる福岡県」、「ワンヘルスの推進」を掲げられています。更に知事は、各地でご自身の政策を述べられるときに必ず『人財育成』の重要性を述べられており、強い想いを感じます。
 人財育成について、知事は政策集の中に、「未来ある少年が、様々な経験・体験を通じて、自らの可能性に気づき、能力を磨き、大きく羽ばたいて欲しいと思います。夢に向かってチャレンジする青少年を応援してまいります。また、県内各地域の活性化、産業・経済の発展、スポーツ、文化・芸術の振興を担い、活躍する人材を育成してまいります」と記されています。また、人財育成と関連があるジェンダー平等の推進も大きくクローズアップされており、的確な対応が求められます。
 そこで1点目に、知事が特に重要視されている人財育成についてどのように次期総合計画に盛り込んでいこうとされるのか、知事の方針についてご披瀝ください。
 2点目に、総合計画に取り入れられる人財育成の中に、ジェンダー平等の視点はどう盛り込まれるのか、また、その理念を県の様々な施策に反映していくためには、外部の意見も取り入れていく必要があると考えますが、知事の見解をお伺いします。

来年度予算編成に関する基本方針について
 次に、来年度の予算編成に関する基本方針をお聞きします。
 現在、執行部では新年度予算に向けた編成作業が行われています。基本的には収束宣言がまだ出されていない新型コロナウイルス感染症に対する対応や、この2年で停滞した経済活動の再興などが中心となってくると思われますし、福岡県を支える人、労働者、生活者一人一人を大切にする施策の展開も検討されていることと思います。
 服部知事は小川県政の継承を標榜されていましたが、来年度予算は、知事が陣頭指揮を執る初めての予算編成となり、新型コロナウイルス対策については新年度予算においても盛り込まれるとは思いますが、人財育成に取り組まれる服部カラーが反映されるものになるものと期待しているところです。
 そこで質問です。知事が強い想いを持たれている人財育成に関する予算も含め、来年度予算の編成に関する基本的な考えをお示しください。

行政改革大綱について
 次に、行政改革大綱についてお聞きします。
 過去の行政改革大綱では、行政の効率化を目標に、人と予算を減らすことを主眼として取り組まれてきました。しかしながら、そのことにより、今般のコロナ禍で保健所機能の脆弱さなどの課題が明らかになりました。
 そこで質問です。行政改革にあたっては、新たな行政課題への対応を含め、どのように人を配置し、予算を配分するのか、また必要であれば行政組織を見直す観点も必要です。次期大綱策定にあたって、行政改革に対する知事の基本的な考えをお聞きします。

新型コロナウイルス感染症対策について
 新型コロナウイルス感染症対策について質問します。
 国内で最初の新型コロナウイルス感染症の感染者が2020年1月16日に確認されて2年近くが経とうとしています。その新型コロナウイルスの感染者数が10月半ばから急激に減少してきました。しかし、海外では再び増加している国もあり、ワクチン接種者においてもブレークスルー感染の恐れがあります。更にオミクロン株も日本に侵入してきました。私たちはここで気を緩めることなく感染防止に努めることが緊要との思いは知事と同じであります。
 さて、今年の夏、第5波により感染者が急増した際、本県の医療提供体制も大きく逼迫しました。今後第6波が懸念される中、第5波の経験を踏まえて、医療提供体制、宿泊療養体制について、十分な対策をとることが大切だと思います。
 そこで1点目に、第5波における医療提供体制及び宿泊療養体制の課題について知事のお考えをお示しください。
 
 2点目に、第6波の始まりとピークの時期やその際の新規陽性者数について、県はどう分析し、想定しているのか、第5波と比較し、お示し下さい。その上で、第6波のピーク時における病床数、宿泊療養施設の部屋数、自宅待機者はどの程度を想定されているのでしょうか、知事の考えをお聞かせください。

医療提供体制の整備について
 次に、医療提供体制の整備に関して、お聞きします。
 10月15日、政府は「ピーク時に即応病床と申告されながらも使用されなかった病床」を「幽霊病床」と称し、今後のその把握と病床の確実な稼働のためコロナ病床の使用率を8割以上にすることなどをとりまとめました。
 そこで3点目に、本県における幽霊病床の実態をどの様に把握しているのかお示し下さい。また、その実態を踏まえた上で、幽霊病床に関する知事の認識もお聞きします。その上で、第6波に備え、病床使用率を国の示す8割以上とすることができるのか、それぞれお答え下さい。

療養体制の整備について
 次に療養体制の整備についてお聞きします。
 第5波のピーク時には本県の自宅待機者は9127人にのぼりました。9月定例会の我が会派の代表質問で、この点について、服部知事は「今回のように爆発的に陽性者が増加すると、症状に応じて自宅療養していただくということもやむを得ない」と述べた上で「基礎疾患を有し、重症化リスクのある方に優先的に宿泊療養施設に入所していただき、重症化リスクがなく、症状の軽い方については、医療支援、生活支援の充実を図った上で、自宅で療養をしていただいている」と述べています。
 しかし、本来は入院、もしくは宿泊療養施設へ入所することが原則であり、その点は知事もたびたび発言されています。
 そこで4点目に、第6波においても、陽性者は入院・宿泊療養施設への入所が原則なのか、お聞きします。また、第6波における宿泊療養施設の運営に必要となるスタッフの確保は十分に整っているのか、あわせてお聞きします。
 
 5点目に、自宅待機者が発生した場合の対応について、9月定例会の代表質問において、知事は市町村へ自宅待機者の情報提供を行うとともに、生活支援の充実を図ることを答弁しています。その後の取組状況についてお聞きします。

ワクチン接種について
 次にワクチン接種について質します。
 まず、6点目にワクチン接種は11月末までに接種希望者全員に対して完了する目標を立てられましたが、それは完了したという認識なのでしょうか、お聞きします。

未接種者のワクチン接種促進について
 次に、未接種者のワクチン接種のさらなる促進についてです。
 7点目の質問として、10月から11月における新規陽性者のうち、ワクチン未接種者の割合は何%なのか、お聞きします。また今後の感染拡大を抑えていくためにも、ワクチン未接種者の接種促進は大きな課題だと感じますが、その対策についてお聞きします。なお、ワクチン未接種者で今後新たに接種を希望する方への対応も含めお聞きします。

3回目のワクチン接種について
 8点目に、3回目のワクチン接種についてお聞きします。
 現在、本県では、3回目のワクチン接種に関して、対象者はどのようになっているのか、どのような接種体制で行うのか、ワクチンの確保も含め、知事の考えをお聞かせください。

後遺症対策について
 次に後遺症対策についてお聞きします。
 コロナ感染から回復した人の中には後遺症で苦しむ方が多いとの報道があります。国立国際医療研究センターの調査では感染者の4人に1人が半年後も後遺症に悩んでいるとのことです。本県では11月までに約7万5千人の感染が確認されていることから、統計的には2万人弱の方が新型コロナの後遺症を抱えていると推測されます。県医師会は後遺症についての相談窓口を整備したい旨を示されました。県としても後遺症の状況を把握し、適切な医療に結びつける支援をすべきです。また後遺症で苦しむ人たちの中には周りの理解不足に苦しむ人もいます。
 そこで9点目に、後遺症に関する相談窓口の設置に関しては県医師会と協議・連携して整備すべきと考えますが、知事の方針をお示しください。

保健所の充実強化について
 次に感染対策の窓口となる保健所の充実強化についてお聞きします。
 保健所は感染対策の窓口となるとともに、自宅待機者の健康観察も行ってきました。先ほど申した通り、第5波ピーク時の保健所の業務は多忙の上に多忙を極めたと聞いています。
 そこで10点目に、第5波における8月の保健所職員の時間外勤務状況、またその中で保健師はどうだったのか、時間外の平均と厚生労働省が過労死ラインとしている直近1か月の時間外が100時間超の人数と割合も併せてお示し下さい。またその際の過重労働を含めた保健所業務の課題について、知事はどのようにお考えなのか、お聞きします。
 また、第6波、さらにその後の感染が拡大した際に第5波における保健所業務の課題を踏まえ、今後どのような対策を行うのか、特に過重労働に対して、その軽減を図るための具体的な取組を行うべきと思いますが、知事の考えをお示しください。