2022年(令和4年)9月定例県議会 報告 5

2024-02-14

民主県政県議団 代表質問 登壇者 新井富美子

 次に、学校教育現場における性の多様性への配慮について、とりわけ、ジェンダーレス制服、学校指定水着について、知事及び教育長にお伺いします。
 県立学校における制服などの指定については、教育委員会が主体性を発揮しなければ難しいと思います。2020年度より福岡市内、北九州市内の公立中学校も、「選べる制服」が採用されています。学生服で有名なメーカーであるトンボは、ジェンダーレス制服をHPで掲載し「選択の自由」をアピールすべきとしています。
 また、水泳用品メーカーのメーカーであるフットマークは、学校現場でも広がる「ジェンダーレス」の動きに対応して、男女兼用で、肌の露出の少ない長袖の上着とハーフパンツのセパレート型水着を開発し、話題になりました。LGBT等児童生徒の生きづらさをなくすために制服や学校指定水着に対して、配慮が必要と考えます。
 そこで1点目に、制服を指定している県立学校及び私立学校における制服、水着の指定の現状とそれぞれの選択制導入の校数について、お示し下さい。
 そこで2点目に、制服および水着の選択制について、私立学校を所管する知事の認識と、県立学校の設置者である県教育委員会の今後の方針について、教育長はどのようなお考えか、お聞かせください。

 次に教員の定数未配置、いわゆる定数欠問題と教員採用のあり方についてお聞きします。
 本件について、我が会派は、度々教育長に対して、定数欠の早期解消を質すとともに、教員採用について抜本的な見直しを提言してきました。
 具体的には、2021年度までに小中学校の正規教員率を93.2%に増加させるとともに、新規採用年齢の上限撤廃、常勤講師の給与改善などを提言し、いずれも現在取り組みが進められています。しかしながら、定数欠の問題は毎年のように発生しています。
 また、文部科学省が初めて行った教師不足の実態調査によると、2021年5月1日時点において教師不足が発生した学校は小学校で61校、中学校で41校にのぼり、また、不足教師数でも、福岡県は小学校で69人、中学校で59人にのぼり、不足率も全国平均を大きく上回る、という極めて厳しい状況になっています。
 そもそも教員定数は、その学校において必要な教員数を示したものであり、その人数が足りないことに対し十分な対策を講じないことは、児童・生徒の教育を大きく阻害することにほかならず、決して看過できない問題です。
 そこで1点目に、今年度県内の小中学校、および県立学校において、5月1日時点の定数欠講師の未配置が生じた学校の割合、および、その人数はどのようになっているのか、近年の傾向も含め、お答え下さい。
 また体育教員の方が、臨時免許状を発行され理科を教える、また、本来担任を持たない主幹教諭の方が担任を行うなどで、定数欠が解消されたとしている現状もあるやに聞いています。県内において、このような事例はどれほどあるのかもあわせてお答え下さい。
 2点目に、採用計画に関してです。採用予定数の推移をみると、小学校では2016年の390名から660名へ、中学校でも同じく210名から290名へ大幅に増員していますが、今年度の正規教員率は小学校92.6%で目標に比べ0.6%低く、中学校は88.5%と、目標に比べ4.7%低いなど、目標に達しておらず、定数欠も解消していません。
 この正規教員率については、昨年6月定例会の我が会派の代表質問において、教育長は正規教員率が計画通りに進んでいないことを述べた後、「より精度の高い推計に基づき、新規採用を行ってまいる」と述べています。
 そこで、教育長に質問です。県教育委員会の採用計画に落ち度はなかったのか、推計方法を明らかにしたうえで、認識をお尋ねします。
 この項の最後に教員採用のあり方についてお聞きします。
 本県は、教員人事権を持つ、北九州市・福岡市と2つの政令市を有し、教員採用において不利な状況となっています。今こそ、採用のあり方について抜本的な見直しが急務です。教員採用に関する新たな取組みについて、教育長の決意もあわせてお答え下さい。
 また学校現場では、ICT教育や小学校の専科制度の導入に伴い、より専門性のある多様な教育人材が求められます。教育現場における多様な人材の活用を図るため、経験豊かな社会人を教員として積極的に採用するなど、抜本的に採用の仕組みを変えることが必要だと思いますが、教育長の認識をお聞きします。

 私の地元課題として、久留米市内の浸水対策と河川管理についてお聞きします。
 久留米市は、今や、大雨による浸水被害の多発地域として認識されつつあります。
 昨年の浸水被害以降は、大雨特別警報等の発令はなかったものの、今年8月24日の深夜から翌朝まで続いた大雨では、巨瀬川で氾濫危険水位を超える事態となり、久留米市の皆さんは不安な夜を過ごしました。
 現在、筑後川流域の浸水対策については、国、県、市による緊急対策事業が進められており、県や久留米市の広報などで適宜お知らせがあっていますが、やはり、雨が降ると多くの皆さんから、筑後川の浚渫を中心に、緊急対策事業の進捗状況や、その効果について問い合わせがあっております。
 久留米市の皆さんは、5年連続の被害を被っておられるわけですから、浸水対策の行方に対して大きな関心を寄せられるのも当然のこととして十分理解されます。
 そこで1点目に、久留米市内の河川に係る浸水対策の取組は、国、県、市とも計画通り進んでいるのか、進捗状況をお示し下さい。
 2点目に、先ほど述べたように、不安を抱える地域住民の声にこたえるためにも、事業について、これまで以上に、きめ細かな情報提供や広報を行うとともに、県がその中心的な役割を担うべきだと思いますがいかがでしょうか。お答えください。
 次に、筑後川流域における、本県の河川管理のあり方についてお聞きします。
 県は、筑後川を管理する国に対して、毎年、浚渫事業の推進について要望しているところです。川幅を広げるなど河川そのものを大きくすることは、極めて長い年月がかかる一方、堆積した土砂を撤去する浚渫や将来計画に基づき川底などを掘削する河道掘削によって流下能力を向上させることは、浸水対策に関して即効性のあるものとして、非常に重要な工事だとされています。
 しかし、県が行う浚渫や河道掘削を含む河川の維持管理予算は、県単独公共予算に含まれ、これは財政改革プランのもと、毎年2%程度の削減が行われています。国には河川の浚渫の推進を要望する一方で、その支川である県管理河川の浚渫等の予算の削減を行う県の姿勢は、矛盾していると考えます。
 そこで3点目に、国への要望と連動した対応を行うためにも、県単独の河川の維持管理予算を重点配分等により確保すべきと考えますが、知事の認識をお答えください。
 4点目に、本年2月定例会においても、県単独公共予算の一律削減の問題点を知事に質したところですが、平成29年度以降の当初予算における河川の維持管理予算はどのように推移してきたのかお示しください。
 特に水害対策として重要な河川の浚渫等をしっかりと行うことは非常に重要であると考えますが、久留米市内の県管理河川ではどの程度、浚渫等を実施してきたのかお示しいただきながら、県として、近年甚大な被害が続いている筑後川水系の県管理河川の予算の確保に、今後、どのように取り組んで行かれるおつもりなのか知事のお考えをお答えください。