2022年(令和4年)12月定例県議会 報告 6

2024-02-14

民主県政県議団 代表質問 登壇者 冨永芳行

答弁骨子
問 総合計画に掲げた取組について
 まず、「次代を担う『人財』の育成」では、様々な分野で挑戦、活躍し、本県の発展を担っていく人材を育成していく。
 主なものを挙げると、子どもたちが県内どこでも充実した環境で学ぶことができるよう、県立高校や特別支援学校などに、タブレット型パソコンを一人一台整備することとした。また、スタンフォード大学の協力を得て、英語による異文化理解教育プログラム「Stanford e-Fukuoka」を開講し、高校生を対象に、実践的な英語能力を身に着けることができるハイレベルな学びの機会を提供した。
 スポーツ分野では、「タレント発掘事業」をパラスポーツ分野に拡大した「フクオカ・パラスター・プロジェクト」をスタートさせた。さらに、産業分野では、「九州DX推進コンソーシアム」を立ち上げ、中小企業におけるDX推進の中核人材の育成を進めているほか、農業大学校のカリキュラムを全面的に見直し、スマート農業機械を導入して、農業者の先端技術習得を支援するリカレント教育を実施している。
 「高齢者、障がいのある人への支援」についてである。
 高齢者への支援については、「認知症カフェ」の運営上の課題を解決するため、カフェの運営者等を対象とした相談窓口を開設したところである。また、9月21日の世界アルツハイマーデーに合わせ、県庁ロビーでの啓発パネルの展示や認知症当事者による講演会により、県民の方に認知症に対する理解を深めていただいた。さらに、認知症等で判断能力が不十分な方の権利を擁護する成年後見制度の利用促進に係る広域的な課題を協議していくため、市町村や弁護士会、金融機関、家庭裁判所等で構成するネットワーク会議を設置したところである。
 障がいのある人への支援としては、日常的に医療的ケアを必要とするお子さんとその家族を支援するため、こども療育センター新光園内に医療的ケア児支援センターを開設した。また、日本財団との連携のもと、障がいのある人の収入向上を図るため、国立国会図書館の蔵書デジタル化事業を行う「就労支援の場」を、県内2か所に開設した。
 「地域防災力と危機管理の強化」については、今年度から、市町村における避難行動要支援者の個別避難計画の作成が進むよう、避難支援関係者間で連携を図るための協議会の設置、避難支援者の候補となる方の洗い出しなど、避難支援者を確保するための取組を市町村と連携して行っているところである。また、危機管理を強化するため、「県地域防災計画」等の各種計画の更なる充実等を図っている。
 総合計画に掲げた本県の目指す姿である「誰もが安心して、たくさんの笑顔で暮らせる福岡県」の実現に向け、こうした取組を着実に進めているところである。

問 令和5年度当初予算の編成方針について

 私たちを取り巻く情勢は、世界的な物価高騰に加え、DX、脱炭素化の推進など目まぐるしく変化しており、これらに的確に対応するとともに、未来を見据えて、成長、発展の歩みを力強く進めていかなければならない。令和5年度は、さきほど述べた今年度の取組を踏まえ、これをさらに一歩前進させてまいる。
 まず重要であるのは、「次代を担う『人財』の育成」である。
 将来の福岡をつくり、担っていくのは人である。学校教育の充実、とりわけICTを積極的に活用した教育を進めてまいる。青少年アンビシャス運動の課題を整理し、見直しを行うとともに、世界に羽ばたく青少年のチャレンジを応援する取組を充実させていく。産業人材については、中小企業の半導体・DX人材を育成するとともに、農業では、経営感覚に優れ、スマート化など新たな技術に対応できる人材の育成に取り組む。
 2つ目は、「世界から選ばれる福岡県の実現」である。 産業団地の造成を進め、国内外からの戦略的な企業誘致に取り組むとともに、産学官が連携し、引き続き、国際金融機能の誘致を進めてまいる。農林水産物のブランド化や輸出など販売の拡大に力を入れるとともに、現在の円安を好機と捉え、戦略的なインバウンド誘客に取り組んでまいる。さらに、「ツール・ド・九州2023」大会など、国内外から観光客を見込める大規模イベントの実現に向け、着実に準備を進めてまいる。併せて、将来の発展基盤を充実するため、福岡空港の滑走路増設を着実に進めるとともに、北九州空港の滑走路延長、北九州下関道路の早期実現を目指す。
 3つ目は、「ワンヘルスの推進」である。
 農林水産物等のワンヘルス認証制度、ワンヘルスの森などを通じて、県民や事業者におけるワンヘルスの実践を促進する。また、全国初のワンヘルスの実践拠点となるワンヘルスセンターの整備や、本県に設置される、世界におけるワンヘルスの実践活動をリードするFAVAワンヘルス福岡オフィスと連携した取組により、ワンヘルスの世界的先進地を目指していく。
 4つ目は、「成長産業の育成」である。
 コロナ禍でも、ピンチをチャンスに変え、将来への発展の種をまき、芽を育てることが重要である。発展的に改組・新設した産学官の推進組織を活かして、取組を前進させてまいる。グリーンデバイスの開発・生産拠点の形成を目指すとともに、バイオ、宇宙ビジネス、水素、自動車、再生可能エネルギーなどについて、未来を切り拓く産業への成長を図る。また、大学発スタートアップなどを支援する新たな取組を進めていく。
 そして、県内の雇用を支える中小企業については、AIを活用した検査工程省力化など生産性向上や事業展開・承継を支援してまいる。本県の基幹産業である農林水産業では、大規模化やスマート化など生産力を強化していく。引き続き、感染症対策に取り組むとともに、観光をはじめ、コロナ禍で影響を受けた地域経済を立て直してまいる。被災地の復旧・復興に全力を挙げるとともに、流域治水を推進し、防災・減災、県土強靭化に取り組んでまいる。全ての人の人権を守り、ジェンダー平等、女性の活躍、障がいのある方の自立と社会参加を進めるとともに、スポーツや文化芸術の振興、健康づくりに取り組んでまいる。
 こうした取組を進めながら、地方創生の基本である住み慣れたところで働く、長く元気に暮らす、子どもを安心して産み育てることができる地域社会づくりを一層進めてまいる。これまでお認めいただいた多くの施策、そして令和5年度の当初予算を通じ、「誰もが安心して、たくさんの笑顔で暮らせる福岡県」の実現に向け、引き続き、全身全霊で取り組んでまいる。