2022年(令和4年)12月定例県議会 報告 8

2024-02-14

民主県政県議団 代表質問 登壇者 冨永芳行

答弁骨子
問 第7波を踏まえた体制整備について
 新型コロナとインフルエンザの同時流行に備え、第7波までの対応に加え、発熱外来のひっ迫を回避し、必要な方が適切に医療にアクセスできるよう、体制を整える必要がある。このため、発熱外来を増やすとともに、新たに休日・夜間に開設する発熱外来や、その処方箋を受け付ける調剤薬局に対し、協力金を給付する。
 また、同時流行した場合に重症化リスクの高い方の受診機会を確保するため、重症化リスクの低い方を対象とする「新型コロナ自宅療養者オンライン診療センター」や「インフルエンザオンライン診療センター」を、今後の感染状況に応じて機動的に開設できるよう、現在、準備を進めている。オンライン診療センターは、休日・夜間に症状が悪化し、その不安から救急要請をしていた軽症者にも対応できることから、救急搬送困難事案の減少にもつながると考えている。
 さらに、発熱外来における、患者からの問合せ等に対する負担の軽減と患者の円滑な受診につなげるため、発熱外来の混雑状況等をスマートフォン等で確認できるシステムを新たに構築する。こうした取組により、新型コロナとインフルエンザの同時流行に対応してまいる。

問 検査キットの配付について

 65歳以上の高齢者、基礎疾患がある方、ワクチン接種2回未満の方は新型コロナに罹患すれば重症化するリスクが大きくなることから、自己検査ではなく、速やかに発熱外来を受診していただく必要がある。このため、検査キットの配付対象については、無条件とせず重症化リスクの低い有症状者に限定しているところである。
 県では、感染拡大時においても、重症化リスクの高い有症状者が発熱外来を確実に受診できるよう、重症化リスクの低い有症状者については、検査キットで陽性の場合は、発熱外来を受診せず、陽性者登録センターへ登録できる体制を整備している。

問 検査キット備蓄の広報について

 感染拡大時には発熱外来が混雑し、速やかに診療・検査を受けられない場合も考えられるため、検査キットや解熱薬などの備蓄について、私の記者会見などを通じ、県民の皆様に繰り返しお願いしてまいった。
 このほか、

  • ・県ホームページやSNS
  • ・主要駅や繁華街、大型ショッピングモール等のデジタルサイネージ
  • ・市町村の広報媒体

などを活用し、呼びかけを行っているところである。また、検査キットについては、「研究用」ではなく、国が承認した「医療用」もしくは「一般用」を使用するよう、注意喚起を行っている。
 今後は、新たに県広報紙や新聞広告による広報のほか、九州経済連合会や商工会議所、商工会などの関係団体等を通じて事業者や学校、保育所等に対し、従業員や職員に呼びかけていただくよう協力依頼も行ってまいる。また、検査キットを購入できる店を分かりやすくお知らせするため、現在、県薬剤師会等において、「医療用」「一般用」の検査キットを取り扱う薬局・薬店のリストを収集しており、まとまり次第、県ホームページで公表してまいる。

問 オンライン診療センターの利用促進について

 「新型コロナ自宅療養者オンライン診療センター」については、健康フォローアップセンターが、自宅療養者の方からの症状の悪化や受診の相談を受けた際に、ご案内することとしている。また、「インフルエンザオンライン診療センター」については、県のSNSや広報媒体を活用して、県民の皆様に幅広く周知してまいる。
 オンライン診療センターの利用にあたっては、専用のホームページから申し込んで、アプリを入手いただき、このアプリ上で、診療日時の予約、オンライン診療の受診、薬の受取調整などが一元的に行えるようにする。また、利用者向けのコールセンターを設置し、操作方法などの問合せに丁寧に対応してまいる。
 こうしたオンライン診療センターの受診の流れを分かりやすく取りまとめて、県のホームページに掲載することとする。

問 がん感染症疾病対策課の体制整備について

 がん感染症疾病対策課は、難病、がん、疾病、感染症への対策に加え、新型コロナウイルス感染症対策本部の事務局の役割を担っている。
 新型コロナの感染拡大に伴い、事務局の業務が増大したことから、専任職員と他部からの兼務職員をあわせて、最大105名まで事務局の人員を増員した。また、疫学調査や宿泊療養などを担当する班を最大16班設置することにより、課と事務局の組織を明確に分離し、本来業務が滞らないよう、その執行体制を確保している。
 なお、次の感染症に備えるため、今国会で改正された感染症法では、都道府県は、

  • ① 医療機関との間での病床確保に関する協定の締結、
  • ② 入院調整の方法や医療人材の確保等について保健所設置市などと議論・協議を行う連携協議会の創設、

などに取り組むこととされたことから、そのために必要な体制を確保してまいる。

問 コロナ終息後の保健所体制とハード面の整備について

 新型コロナ感染症のような新興感染症は、いつどこで発生するかわからない。そのため、「陽性者の病状把握・入院調整」、「疫学調査」、「自宅療養者の健康観察」など重要な役割を担う保健所は、新興感染症の流行の初期段階から速やかに機能できるよう準備をしておく必要があると考える。
 先ほど述べた改正感染症法では、平時からの備えを確実に推進するため、国の基本指針に基づき策定する都道府県の予防計画に、新たに「保健所の体制の確保に関する事項」を記載することとされたところである。
 新興感染症に対するハード面も含めた保健所の体制については、本県のこれまでのコロナ対応を踏まえつつ、今後明らかになる国の基本指針の内容を見極めた上で対応してまいる。