2014年6月定例県議会 報告 その4
2024-02-14
一、6月議会の主な内容(井上県議の代表質問、補正予算、意見書など)
◎原発の災害発生時の避難シミュレーション問題 (知事へ)
【問】
原子力災害発生時における段階避難は非現実的(後日、関連記事特集報道)
- 国の原子力災害対策指針は、原発から5キロ圏内の予防的防護措置準備区域(PAZ)内で放射線被ばくによる影響回避のため、全面緊急事態の時点で、原則、即時避難。
- 30キロ圏内の緊急時防護措置準備区域(UPZ)内は、原則、屋内退避。放射線量の実測値が一定基準を超えた場合、一時移転。
- 国の指針は段階的避難を想定、国のガイドラインを踏まえ、佐賀・長崎両県と共同実施。
- 一斉避難の場合、過度の渋滞が発生し、長時間乗車による高齢者等の体調不良、避難車両の燃料切れ、無用の被ばくなどを招く。
【問】
要援護者の避難が想定に入っていない
- 要援護者は、健康リスクで安全な搬送手段や医療体制の確保など、特別の配慮が必要。
- 入院・入所者を中心に、別途、個別の避難計画を策定中。災害時にこの計画のもと避難するため、今回のシミュレーションの対象外。
【問】30km圏外の住民の屋内退避は非現実的、自主避難が現実的
- 国の指針を踏まえ、30km圏内を対象に広域避難計画を策定、この計画検証のため30km圏内を対象に避難時間シミュレーションを実施。
- 30km圏外も自主避難した場合、30km圏の内外で過度の渋滞が発生、避難の必要性の高い重点区域内の円滑な避難を妨げ、無用の被ばく等、不測の事態のおそれがある。
【問】
放射性物質の除染体制が想定に入っていない
- 国の指針は、スクリーニング検査・除染は放射線量の低い所で行うとされている。
- 本県の広域避難計画は、避難所の隣接場所に医療救護所を設置、除染等を行う。
- 今回の避難シミュレーションは、30km圏内の住民が圏外に出るまでの時間を試算、圏外避難後のスクリーニング検査・除染の作業時間は入れてない。
- ※全ての質問に机上の空論と厳しく指摘。一斉避難が現実的、段階的避難は本当に出来るのかを再質。
◎道路交通施設の老朽化対策(知事へ)(会派でたびたび質問。後日新聞に特集記事)
【問】
国の社会資本整備審議会道路分科会の「最後の警告」提言の受け止め
- 老朽化対策は喫緊課題、県管理の全橋梁・トンネルの点検・補修等計画的に実施。
- 提言は、「今すぐ本格的メンテナンスにかじを切らなければ、近い将来、致命的事態を招く」と強い表現で指摘。
- トンネル・橋を5年に1度点検など道路管理者の義務の明確化と点検・診断・措置のメンテナンスサイクルを実施し、必要な予算確保、体制づくりの支援策等を指摘。
- 今回提言を受止め、県民の安全・安心に道路を利用できる道路施設の維持管理を強化。
【問】
橋梁のデータベース化の進捗とトンネル、舗装などのメンテナンスについて
- 本県管理の4,524の全橋梁、施設の基本台帳や点検情報のデータベース登録はH22年度完了。現在、2度目以降の点検結果、修繕の履歴情報など随時更新。この活用で損傷軽微なうち修繕を行う「予防保全」で維持管理を実施。
- トンネルは県の点検要領で点検実施、結果をデータベース化、個別の維持修繕計画を策定、必要な補修工事を実施。7月から国の統一的基準で5年に1度、目視点検が義務化。
- 舗装・照明柱等の道路付属構造物は、構造が比較的単純のため経年的に劣化箇所をそのつど補修。舗装は5年に1度、定期点検、日常の巡視で路面補修を実施、照明柱はLED灯具の交換時に随時点検、補修や取り替えを実施。
【問】
市町村の橋梁長寿命化修繕計画について
- 県内の市町村管理の橋梁数、H26年3月末現在22,853橋。15m以上が3,025橋、15m未満が19,828橋。
- 橋梁長寿命化修繕計画は15m以上の橋梁を本年3月末に全市町村で策定完了。15m未満の橋梁も59市町村で策定完了、残る1自治体も今年度末までに策定が完了予定。
- 7月から橋梁も、国の統一的基準で5年に1度、目で見て点検義務化。点検結果を、橋梁長寿命化計画の見直しに反映するよう、市町村に促進。