2015年6月定例県議会 報告 その3

2024-02-14

二、民主党県政クラブ県議団の代表質問と概要

◎ 本県の労働環境改善に向けた取り組みについて (知事へ質問)

本県の労働環境についての認識と、これまでの労働行政の対策効果について
県内4か所の労働者支援事務所で、相談件数は年間1万件を超える水準で推移。近年のセクハラ、パワハラ等の職場の人間関係に関する問題が顕在化、加えて長時間労働や非正規雇用労働者といった問題が、なかなか改善しないため。
本年度から新たに「正規雇用促進企業支援センター」を設置し、企業に専門のアドバイザーによる人材採用・定着支援を行い、希望者の正規雇用への転換と非正規雇用の処遇改善も図り、労働環境の改善を図っていく考え。

本県の過労死防止対策について
「過労死等防止対策推進法」の昨年成立を受け、福岡労働局と連携し効率的な働き方による時間外労働の削減や休暇の取得促進について、労使団体や企業トップへの働きかけを行い、本年3月「働き方改革」に向け共同宣言も行った。

政府が現国会に提出している高度プロフェッショナル制度について
長時間労働が助長するといった懸念の声もある。国会で、対象となる労働者の範囲が適切であるか、対象者の健康確保措置といった労働者保護のための対策が取られているか等、十分な審議がなされるべき。
労働者派遣法の改正案の問題点について
派遣の常態化もあり得るのではないか、期間制限がなかった専門26業種について雇止めが発生することもあるのではないか、といった懸念の声もある。このことから、派遣期間終了後の派遣労働者の雇用安定措置が適切にとられることが重要。
県は、同法案の成否にかかわらず、希望者の正規雇用の促進に取り組む。

福岡市国家戦略特区に係る進捗状況と本県の労働行政は反映されているのか
特区内の創業直後の企業や外国企業等への、雇用ルールの周知徹底と紛争の未然防止等を目的とする「雇用労働相談センター」が、昨年11月に設置されている。
労使紛争の未然防止というセンターの目的が果たされるよう、設置までの間、様々な機会を捉えて、県として国や市などの関係者に対して、相談対応は労使双方にとって公平・公正に行われるべきといった県の考えを申し入れている。
今後とも、必要に応じて国や市などの関係者と協議を行い、労使紛争の未然防止を図ると共に、個別紛争が生じた場合には、県が設置する労働者支援事務所において労働相談に応じていく。

◎教育問題について

1.教育委員会制度改革と本年度予算

知事の教育理念と教育大綱の策定時期について (知事へ質問)
教育は国の根幹。子どもは次代の福岡県、日本の国を担う大切な宝。
本県では、「学力」、「体力」は残念ながら全国平均を下回っている。
「新しい人材育成策」を、県総合教育会議で策定する大綱としても位置づけたい、策定時期は、年内。

教育の政治的中立性の確保について(知事へ質問)
今回の教育委員会制度改革でも、学校教育の継続性・安定性を確保するため、引き続き、教育委員会が執行機関。教科書の採択や教職員の人事などの職務権限も、従来どおり教育委員会の専権事項。新たな教育長の任命・罷免は、議会の同意を得て行うなど、政治的中立性の確保に配慮されたもの。
法改正の趣旨を踏まえ、教育委員会と連携し、総合教育会議における大綱の策定など、今後の教育行政、教育課題の解決にあたってまいる。

教育の中立性は確保できるのか(教育長へ質問)
今回の制度改正も、教育委員会は知事から独立した合議制の執行機関として存続、その職務権限も維持。新たに規定する教育に関する大綱策定の権限は、知事だが、策定に当たっては、総合教育会議において知事と教育委員会との意見を調整する仕組みが設けられ、教育の中立性は確保されていると認識。

教育委員会の新体制への移行時期について
教育行政の継続性・安定性を図る観点から、4月1日時点で在職中の教育長は、教育委員としての任期満了まで、在職する経過措置がある。設けられている。新体制への移行時期は、教育行政の継続性等を勘案し慎重に検討。

新県立美術館の整備検討について(教育長へ質問)
新県立美術館の整備は、2008年8月に「将来構想検討委員会」が提言。その後、新美術館に求められる機能の研究や関係機関との協議等に時間を要した。
今回、セントラルパーク構想の策定、九州の自立を考える会からの政策提言等、新たな状況を踏まえ、改めて有識者による委員会を設置し新県立美術館の整備のための専門的な検討を行いたい。