2023年(令和5年)6月定例県議会 報告 2

2024-02-14

民主県政県議団 代表質問 登壇者 佐々木 徹

 民主県政クラブ県議団の佐々木徹です。会派を代表して質問をしてまいります。
 
 質問に入る前に、今月はじめ、台風2号と梅雨前線の影響によって記録的な豪雨となり、河川の氾濫(はんらん)や床上浸水などが発生して、死者5名、行方不明者2名など、あわせて19の都(と)府県(ふけん)で大きな被害が出ました。亡くなられた方に衷心(ちゅうしん)よりお悔やみを申し上げますとともに、被災した皆様に心からお見舞い申し上げます。
 本県もこれから本格的な雨の季節です。県民の皆様が災害に会わないこと、災害の危険があるときは身を守ることを最優先していただくよう強くお願い致します。また、県執行部、県警察におかれましては、県民の人命を守ることを第一に取り組んでいただく事を強く要望しておきます。
 
 それでは、会派を代表して質問に入らせていただきます。

 最初に物価高騰対策について質問します。
 4月9日投開票となった県議会議員選挙に関するNHKの県民調査によると、「今後、県に最も力を入れてほしい政策は何か」に対し、「物価高騰の負担軽減」が32.6%、「賃金の引き上げ」が28.1%と、他の項目に約20ポイント以上の差をつけています。これは、所得が上がらないなかで物価高に県民が苦しんでいる証拠であります。
 総務省が発表した3月の消費者物価指数によると、生鮮食品を除く2022年度の総合指数は103.0で、前年度から3%上昇。電気料金や食料品の価格高騰などで、上昇率は1981年度の4%に次ぐ41年ぶりの水準となりました。
 県はすでに、学校給食費の増加分への支援、資材高騰の影響を受ける農林漁業者に出荷経費の一部補助などを行っていますが、より県民の生活に直接届き、消費を促す好循環を生む対策が必要です。
 そこで1点目に、これまでに県が実施した物価高騰対策の成果について、本県経済にどのような影響を及ぼしたと考えているのか、知事の認識をお聞きします。

 物価高騰対策については、賃上げも不可欠です。今春闘においては賃上げが大きな争点となり、連合福岡が集計した、福岡県内の5月10日時点での平均賃上げ率は3.95%と、比較が可能な2015年以降で最も高い賃上げ率となっています。しかしながら、厚生労働省が今月6日に公表した統計によると、実質賃金は前年比3%低下で13か月連続の減少と、賃上げが物価上昇に追い付かない状態です。また、中小企業など、そもそも賃上げが容易でない事業所も数多くあると聞き及んでいます。
 知事はかねてより、本県の最低賃金1,000円を目指す姿勢を明らかにされ、この点については会派として評価します。また、最低賃金のランク付けに関し、福岡県は4段階のランク分けのCランクから、3段階のうちのBランクへと変更になりました。この変更も、これまで地域の賃金格差の改善を訴えてきたわが会派として、服部知事の国への直接の働きかけなどが功を奏したものと一定評価しております。
 しかし今後、最低賃金が上昇したとしても、税金や保険にかかわる、いわゆる「所得の壁」がそのままであれば、扶養内で働く方々は就業時間を自主的に抑え込み、結局意味をなさなくなってしまうことが考えられます。
 そこで2点目に、知事は、扶養内労働者のいわゆる「所得の壁」についてどのような認識をお持ちでしょうか。そして、その「所得の壁」の緩和に向けて今後一層、国への働きかけを行うべきではないでしょうか、知事の考えをお示しください。

 さて知事はことし2月、中小企業や小規模事業者が賃上げを実現するためにも稼げる力を高めることが重要として、本来民と民の契約の結果である価格転嫁について、知事が音頭を取り、県と連合福岡、国の地方部局、県内経済団体などとともに「価格転嫁の円滑化に関する連携協定」を結ばれました。この協定には、国が円滑な価格転嫁を促進するため、企業が取引先との共栄共存などを宣言する「パートナーシップ構築宣言」の促進もうたわれています。
 そこで3点目に、この協定に基づいて、県がこれまでどのような取組みを行ってきたのか、具体的にお示しください。また、価格転嫁を円滑に進めつつ、物価上昇に負けない賃上げを実現していくため、今後どのような取組を行っていくのかお教えください。

 価格転嫁と賃上げは一体として行うことが不可欠と、わが会派は考えます。知事には、最低賃金1,000円の早期実現を含め、持続的な賃上げに向け取組を強化していただくよう強く要望し、この項の質問を終わります。

 次にスポーツにおけるジェンダー平等への取組についてお聞きします。

 本県はスポーツ立県福岡を掲げ、スポーツ振興、アスリートの育成に力を入れてきました。今年7月には福岡市で世界水泳も開催され、世界からアスリートや観客が来福することから、スポーツ大会における本県の取組が注目されます。
 東京オリンピック2020では、参加した選手約1万1千人のうち、およそ49%が女子選手と、半数を占めるまでに女性の参画が進みました。女性アスリート支援については、女性特有の身体的・生理的特徴や経済的な不安についての問題が指摘され、県も、専門医につなぐシステムの運用や遠征費用等を支援するなどの取組が進められています。今後は、女性視点のスポーツ活動推進も不可欠で、スポーツ団体の意思決定機関における女性進出が求められています。
 スポーツ庁は2019年6月に策定した「スポーツ団体ガバナンスコード」で、スポーツ団体の女性理事の目標割合を40%と決定しましたが、本県の「第5次福岡県男女共同参画計画」はその目標値を設定していません。また、市町村や関係団体のスポーツ推進の指針となる「福岡県スポーツ推進計画」においては、女性アスリートの支援について記述がなく、県の本気度が低いのではないかと危惧します。そこで、伺います。
 1点目に、県内のスポーツ競技団体の理事全体に占める女性の割合と、知事が会長を務める福岡県スポーツ協会における女性理事の割合をお示しください。その上で、それぞれの団体での取組についてどう促していくのか、教育長にお聞きします。
 2点目に、「第5次福岡県男女共同参画計画」にて、スポーツ団体における女性理事の割合の目標値を設定していなかった理由は何か、その上で次期「福岡県男女共同参画計画」では本県の目標を示すべきだと考えますが、知事の考えをお聞きします。
 3点目に、来年度改訂となる「福岡県スポーツ推進計画」においても、女性のスポーツ活動の推進について明記すべきではないかと考えますが、知事の見解を伺います。