2023年(令和5年)6月定例県議会 報告 5

2024-02-14

民主県政県議団 代表質問 登壇者 佐々木 徹

 次に豪雨に対する災害軽減への取組について伺います。
 代表質問の冒頭でもお話しした通り、今月に入り、台風や梅雨前線の影響で東海や関東地方などで記録的豪雨となり、河川の氾濫、床上浸水などが発生して、甚大な被害が出ました。近年は豪雨災害が頻発化、激甚化しており、特に都市部などを中心に起きる内水氾濫は早急な対策が待ったなしとなっています。こうした内水氾濫を軽減するため、貯留施設、貯留タンク、雨水浸透施設といった施設があります。これらは一時的に雨水を貯留し、河川や側溝などの流量を緩和するもので、都市部で圧倒的面積を占めている戸建ての各家庭でも取り組むことが出来、内水氾濫の軽減に一定の効果があるとの研究が報告されています。
 1点目に、貯留施設、貯留タンク、雨水浸透施設の効果について知事はどのような認識をお持ちか、お示しいただくとともに、県内でこのような施設の設置は進んでいるのか、具体的な数値を含めてお示しください。

 2点目に、貯留施設は、県有施設にも計画的に設置していくべきと考えますが、その現状と、今後どう進めていくのかお教えください。

 筑後川流域の治水のため現在久留米市で工事が進んでいる池町川地下調節地築造工事では、約2万4千トンの雨水を貯留することで、内水氾濫の軽減につなげる事業を実施しています。あわせて、都市部で圧倒的な面積を占める戸建て住宅のそれぞれに雨水を貯留する施設の普及が進めば、先程述べた通り内水氾濫の軽減に大きな効果を発揮するものと考えます。
 たとえば、久留米市の4月現在の総世帯13万2千戸のうち、2割弱にあたる2万4千戸の戸建住宅がそれぞれ1トンの雨水を貯留する施設を設置できれば、池町川地下調節地と同量の雨水が貯留できます。本県では福岡市、久留米市などで、貯留タンクや雨水浸透施設の設置に補助金を設け、その普及を進めています。
 そこで3点目に、市町村が助成する、各家庭への貯留タンク、雨水浸透施設の設置を一層推進していくためには、どうすべきと知事はお考えでしょうか。ご答弁ください。

 次にソフト面での防災対策をお聞きします。
 本県は2005年に防災メール・まもるくんと称した電子メールによる災害情報提供サービスを開始しましたが、登録者数は約14万人と全県民の3%弱にとどまっています。昨年12月23日からは、メールサービスに替わるスマートフォンアプリ「ふくおか防災ナビ・まもるくん」の配信を始めています。
 昨年6月議会で、知事は「PR活動、登録促進キャンペーンを実施し、一人でも多くの県民に『ふくおか防災ナビ・まもるくん』を利用していただけるよう取り組む」と答弁されましたが、現在、私の身の回りでスマホアプリ「防災ナビ・まもるくん」をダウンロードしている人はおろか、その存在を知っている人もほとんどおらず、各市町村の防災メールやSNS情報を頼りにしている人も多いと聞きます。
 豪雨災害の多発する時期を目前に控え、今後あらゆる手段を通じて、このアプリの周知と登録促進活動を行っていくべきですし、進んで選んでもらえるアプリになるよう、さらに内容の充実を図っていくべきではないでしょうか。以上をふまえ、知事に伺います。
 1点目に、改めて、本県の「ふくおか防災ナビ・まもるくん」の配信目的をお示しいただくとともに、県内各自治体の発信する防災情報との連携をどのように行っているのか、今後どのように各市町村へ働きかけていくのかお聞かせください。
 2点目に、サービス開始後半年での「防災ナビ・まもるくん」の登録者数をお示しいただくとともに、登録促進のためどのような活動を行ってきたのか、当該アプリの知名度を高めるため、あらゆる手段を通じて更なる周知促進を行い、多くの県民に登録されることが重要であると考えますが、今後の取り組みについてお答えください。

 次に教育問題について教育長にお聞きします。
 まず、県立高校における定員内不合格について伺います。先の2月定例会の我が会派の代表質問において、生徒の定員内不合格が多くみられることから、その廃止を求めたところ、教育長は「志願者の修学可能性を最大限見据え、極力定員内不合格を出さない方針が、各学校において一層徹底されるよう、しっかり指導してまいる」と答弁されました。
 そこで1点目に、令和5年度入試の定員内不合格者の状況と昨年度との比較をお示しいただくとともに、具体的にどのような指導を行われたのか、また令和6年度入試においてどう取り組んでいくのかお答えください。


 次に、教員の労働環境の改善についてお聞きします。

 本県では、配置された教員の数が定数を満たさない、未配置の状況が続いています。
 そこで2点目に、本年5月1日時点の、教員の未配置の状況について、定数欠講師及び産休・育休代替、病休代替なども含め、どのようになっているのか、小学校、中学校の各状況をお示しいただき、併せて、その未配置に対し、今後どのように取り組んでいくのか、教育長の考えをお聞きします。

 文部科学省の2022年勤務実態調査によると、一週間当たりの教員の時間外労働時間は小学校で23時間49分、中学校で28時間24分で、1ヶ月換算でいわゆる過労死ラインを超えるような過酷な状況です。教員の労働環境は、未配置等の人材不足、長時間労働、それらが引き起こす病休、早期退職により、ますます人が足りないという負の連鎖に陥っており、この悪循環を断ち切る強い取り組みが求められています。
 国では、給与体系の見直しなど教員の負担に応じた待遇改善を検討しているようですが、負担軽減や時間外の縮減には結びつきません。
 教員の負担軽減のためには業務の見直しなどと併せて、未配置問題の大きな要因となっている早期退職者への取組みが必要だと考えます。
 そこでこの項の最後に、本県の早期退職者の推移についてお示しください。その上で、県教委は、教員の離職を防ぐためにどのような取組を行っていくつもりか、教育長にお聞きします。

 最後に今年行われる世界水泳福岡大会について質問します。

 来る7月14日から30日まで22年ぶりにマリンメッセ福岡を主会場として第20回世界水泳選手権2023福岡大会が、そして8月2日から11日まで世界マスターズ水泳選手権が開催されます。
 世界水泳選手権は200の国と地域から約2400人の選手、来場者は40万人から50万人、マスターズは100か国から約1万人の参加者を見込んでいる一大イベントです。この両大会の開催にあたって、県も運営費として15億円、県立総合プールの改修費として3億円支出しております。
 そこでまず知事にお尋ねします。
 大会組織委員会の構成をお示しいただき、県が支出する15億円の使途を含め、約一か月間行われるこの大会を、県はどのような形で支援していくのか具体的にご披歴ください。その上で、県では福岡市と連携して世界水泳を支援することで、県民にどのような希望を与え、どのようなメッセージを発信しようとお考えなのかお聞かせください。

 今回は福岡市が主体となって運営されているため、ホームページなどを見る限り、観光案内など福岡市が中心となっており、少し残念な気もします。大きな大会を誘致すると多くの選手が来福し、目の前で世界水準の競技を見ることが子どもたちを含め県民に与える影響は非常に大きく、また観光振興など経済的効果も期待できます。
 そこで2点目に、知事は県が世界大会を誘致する価値と意義についてどのようにお考えなのかお聞かせください。