2023年(令和5年)6月定例県議会 報告 6

2024-02-14

民主県政県議団 代表質問 登壇者 佐々木 徹

答弁骨子
問 県が実施した物価高騰対策が本県経済に及ぼした影響について
○ 県では、国の施策と併せて、エネルギー価格や物価高騰の影響を受ける事業者等が事業活動を継続できるよう、

  • ・プレミアム付き地域商品券の発行支援
  • ・地域公共交通の燃料費の上昇分への支援
  • ・県民生活に密着したサービスを行う医療機関や介護サービス事業者等に対する光熱費等の支援
  • ・畜産農家に対する飼料代の支援

 などを行ってきた。
○ 内閣府の景気ウォッチャー調査では、九州の事業者からプレミアム付き商品券の利用により景気が上向いているとの意見が寄せられている。また、交通事業者や医療機関、農業者などからは、価格転嫁が難しい中、事業を継続する上で助かったといった声を聞いており、物価高騰等による県民生活や経済活動への影響を緩和することができたと考えている。
○ 県経済については、物価高騰対策を講じる前の昨年5月には「持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さがみられる」状況だったが、その後、景気は腰折れすることなく上向いており、今年の5月の状況としては「緩やかに持ち直している」と判断しているところである。

問 扶養内労働者のいわゆる「所得の壁」について
○ 扶養内労働者の税制や社会保障制度上の優遇措置は、子育てや介護などの 理由で短時間勤務を強いられている方々にとってはメリットがある一方、「所得の壁」により、就業時間や日数を調整する「就業調整」が、扶養内で働く方々の活躍を妨げ、企業における労働力不足の要因ともなっていると認識している。
○ 先日公表された国の骨太方針の原案では、この「所得の壁」について、「当面の対応として被用者が新たに106万円の壁を超えても手取りの逆転を生じさせない取組の支援などを本年中に決定した上で実行し、さらに、制度の見直しに取り組む」とされた。
○ 県では、「所得の壁」の緩和に向け、昨年度、全国知事会を通じて国に対し、「就業者の多様な属性に配慮しつつ、働く女性の意欲を促進し働き方やライフスタイルの選択を阻害しない制度となるよう、税制や社会保障制度等」の見直しを続けることについて、提言を行ったところである。
 今年度も引き続き、全国知事会を通じて働きかけてまいる。

問 中小企業の価格転嫁の円滑化と物価上昇に負けない賃上げに向けた取組について
○ 県では、今年2月の協定締結後、官民労が連携・協力し、適切な価格転嫁の機運醸成により、サプライチェーン全体の共存共栄を図る本協定の狙いやパートナーシップ構築宣言の意義について、事業者の皆様の理解を深めるため、ホームページや新聞広告等を通じ、広く周知を図ってまいった。
○ また、先月は、福岡市内で、協定を締結した13団体に、新たに建設・土木、金融関係など10団体を加え、官民労23団体の共催による「取引適正化推進フォーラム福岡大会」を開催した。フォーラムでは、「パートナーシップ構築宣言企業の拡大」、「適正価格による取引の徹底」等を重点的に推進することについて、各団体のトップが共同宣言を行い、その内容を広く発信したところである。さらに、パートナーシップ構築宣言企業の登録を促進するため、今年4月から、県の中小企業向け補助金について、加点措置を行っているところである。
 こうした取組により、本県の宣言企業数は、2月の協定締結前の662社から6月9日現在、848社まで増加した。
○ 今後は、県内企業に対し、価格転嫁や賃上げの実施状況等を調査し、好事例などを周知するとともに、協定締結団体と連携し、新たな事業展開や経営改善、生産性向上の支援を通じ、中小企業の賃上げ原資の確保を図ってまいる。併せて、国に対し、下請Gメンによる実態把握や産業界への働きかけなど、価格転嫁の円滑化に向けた取組の継続と、賃上げ導入企業に対する各種補助金の優遇措置拡充を要望してまいる。
○ こうした取組を通じ、価格転嫁を円滑に進め、中小企業の賃上げが実現できるよう、官民労を挙げて、しっかり取り組んでまいる。

問 県内のスポーツ競技団体及び県スポーツ協会における女性理事の割合と今後の取組について(教育長答弁)
○ 今年3月における県スポーツ協会加盟団体の平均値は17.8%、県スポーツ協会は18.5%である。
○ 適切な団体運営及び事業運営を行っていく上では、女性理事の参画など、多様な人材を取り入れることが重要であると考えている。今後、県スポーツ協会や各競技団体に対し、研修会や理事長会を通じて、多様な人材確保の必要性を説明することにより、団体の規模や特性に応じた、役員等の適切な体制を整備するよう、促していく。

問 第5次福岡県男女共同参画計画におけるスポーツ団体の女性理事割合の目標値について
○ 御指摘の、国が定める「スポーツ団体ガバナンスコード」の女性理事の目標値については、中央競技団体が適用対象となっている。一方で、地方組織は、その多くが法人格を持たず、少数のボランティアが運営する等、人的・財政的基盤が極めて脆弱な団体もあるため、適用対象外である。
○ 県内団体も、多くが法人格を持たず、人的・財政的基盤が脆弱である。また、競技人口の男女比率の偏りや、役員が大会運営の実務を担当するため競技経験が求められることから、役員の男女比率が偏っている実態がある。このため、第5次計画では「スポーツ団体における女性役員等の登用促進」を主要施策の一つとして掲げているが、女性理事の割合を目標値に設定することは見送った。
○ 県としては、女性を外部理事として登用する等、多様な人材の確保に努めるよう県内団体に働きかけるとともに、次期県計画の策定における女性役員の登用促進に資する目標設定については、団体との意見交換を行いながら検討してまいる。