2023年(令和5年)6月定例県議会 報告 8

2024-02-14

民主県政県議団 代表質問 登壇者 佐々木 徹

答弁骨子
問 企業におけるカスタマーハラスメント対策について
○ 県では、昨年度、県内企業を対象に、カスタマーハラスメント対策の基本事項や対策事例を紹介するオンラインセミナーを業種別に4回開催し、延べ142社、185名にご参加いただいた。また、このセミナーの内容を基に作成した動画を今年2月から県ホームページ上で公開しており、6月9日現在、視聴回数は606回となっている。
○ 今後は、福岡労働局とも連携し、企業への個別訪問や説明会において、公開している動画の視聴を促すことで、社内対応ルールの設定や従業員の相談窓口の設置といった、カスタマーハラスメント対策の更なる導入促進を図ってまいる。

問 カスハラの問題を踏まえた道徳や人権などの教育について(教育長答弁)
○ 学校では、道徳教育や人権教育において、思いやり、寛容な心、時と場に応じた適切な言動等について学び、自他の大切さを認め、それが様々な場面での具体的な態度や行動に現れるような指導の充実を図っている。
○ 県教育委員会としては、今後とも、発達段階に応じ、学校の教育活動全体を通して、思いやりや感謝の気持ち、自分の人権のみならず他の人の人権を尊重する意識、意欲、態度など、他者とのより良い関係を築く基礎となる資質の育成に努めてまいる。

問 滑走路増設事業の進捗状況について
○ 事業主体である国によると、滑走路や誘導路、駐機場の整備の進捗状況は、昨年度末までの予算執行ベースで約7割となっており、「令和7年3月の供用開始に向けて、当初の計画通り工事は順調に進んでいる」と聞いている。

問 福岡高速3号線の延伸事業について
○ 福岡高速3号線の延伸事業については、福岡北九州高速道路公社において、一昨年の7月に着手している。現在、地質調査、測量、設計を進めるとともに、一部において、用地の取得にも取り組んでいると聞いている。
○ また、事業箇所が都市部であり、

  • ① 多数の大規模物件の補償を含めた用地の取得
  • ② 制約が多い中での高架橋や地下構造物の施工

が必要なことから、供用の時期については不確定であり、現時点でお示しすることは困難と聞いている。
○ 県としては、今後とも事業の着実な進捗に向け、関係機関と連携してまいる。

問 福岡空港の利便性向上について
○ 福岡空港は、九州・西日本と海外との経済、文化、観光など様々な交流を支える窓口として重要な役割を担っており、更なる発展のためには、多彩な航空ネットワークの充実に加え、利便性の向上などによりアジアの拠点空港としての魅力を高めていくことが極めて重要であると考えている。
 このため、県は、FIACに対して、

  • ・国内、国際両ターミナルのアクセス改善
  • ・国際線ターミナルの快適性の向上
  • ・保安検査場や駐車場の混雑解消

などによる利用者の利便性向上の重要性について、取締役会等を通じて働きかけを行ってきた。
○ こうした県の意向を踏まえ、FIACでは、

  • ・国内線・国際線連絡バスの専用道路の整備
  • ・国際線ターミナルにおける
    • ① ビルの増改築による床面積の拡大
    • ② 免税店エリアの拡充
    • ③ 自動手荷物預入機の導入
  • ・国内線ターミナルビルにおける保安検査場の混雑緩和のための「スマートレーン」の導入や駐車場の整備

など、利便性向上のための事業を進めている。
〇 株主でもある県としては、FIACに対しアジアの拠点空港として発展する福岡空港の実現に向けた具体的な取組を着実に進めるよう、引き続き求めてまいる。

問 コロナ禍前と現在の運航路線数と便数および今後の就航を目指す路線について
○ コロナ禍前と現在の運航路線数と便数については、コロナ禍前の令和2年1月と今年6月を比較すると、国内線は、27路線、1日185往復から27路線、1日191往復となり、コロナ禍前の水準に回復している。国際線は、22路線、週372往復から16路線、週342往復となっており、路線数で約7割、便数で約9割まで回復している。
○ 今後の復活や新規就航を目指す路線とその理由について、復便による航空需要の回復に向けて、コロナ禍前に就航していた中国路線やマレーシア路線の復活に向け、FIACと連携し取り組んでいる。さらに、新たな航空需要を喚起するため、「福岡県の空港の将来構想」に掲げる、未就航のアジア路線、北米路線、オーストラリア路線の新規就航に取り組んでまいる。
 こうした戦略的な路線誘致を行うことにより、国内外のネットワークを拡充し、福岡空港がアジアの拠点空港として発展することを目指す。

問 空港の利用状況と必要な人員の確保について
○ 過去最大の利用者数は、国内線は令和元年11月に約163万人、国際線は平成31年3月に約65万人であった。一方、国による最新のデータによると、今年4月時点では、国内線は約135万人、ピーク時の約8割、国際線は約46万人、ピーク時の約7割となっている。
○ 次に、現保安検査場における所要時間については、FIACからの聞き取りによると、年末年始は国内線が最大で50分、国際線が最大で90分であったが、現在は、国内線、国際線ともに最大で30分となっている。
○ 最後に、空港運営に必要な人員確保については、FIACが中心となり、福岡空港内の事業者15社による求人のための「合同企業説明会」を開催したほか、採用に関する特設サイトを開設し募集を行った。県においても、人員の確保を支援するために、県の「若者就職支援センター」や「中高年就職支援センター」による情報提供に加え、ホームページやSNSを通じた情報発信によって、説明会やサイトの周知を行ったところである。
 このような取組を通じて、コロナ禍前の約半数まで減少した保安検査員の従事者数が、約7割まで回復したとのことであった。今後も、FIACと連携し、空港運営に必要な人員確保に努めてまいる。