2022年(令和4年)9月定例県議会 報告 3

2024-02-14

民主県政県議団 代表質問 登壇者 新井富美子

 次に、育児休業制度の充実について伺います。
 改正育児介護休業法の施行に伴い、本年4月より職場の環境整備と育休取得の意向確認の義務化がスタートしました。来月10月からは、子どもが生まれた直後に取れる「産後パパ育休」制度も始まります。
 我が会派は2021年12月定例会の代表質問において、労働力人口の減少やコロナで働き方が大きく変わった中、誰でもいつでも仕事とプライベートを両立できる社会の実現に向けて、本県職員が男性の育児参加を率先し、牽引していくべきとして、男性の育児休業取得の推進について質問しました。その中で、育休を取らない男性職員には、その理由を記載した「不取得理由書」を提出する制度を設けてはどうか、との提案も行ったところです。それに対し知事からは「今後は男性職員に育児休業をはじめ、より長期の休暇、休業の取得を促す観点からも、他県の事例も参考にしながら、より効果的な取組を行っていく」との答弁がありました。
 そこで1点目に、その後の県庁における男性の育児休業取得促進に向け、どのような取組を行っているのか、「不取得理由書」の件を含めお答えください。また、10月からスタートする「産後パパ育休」制度の利用に向けた取組みについてもお聞かせください。
 次に、育児休業、という名称についてです。本年4月、東京都は『「育児休業」を「仕事を休む期間」と捉えるのではなく「社会の宝である子どもを育む期間」であり、「子どもが親とともに過ごす大切な期間」と認識を変えることが必要だ、として、「育児休業」のイメージを一新するための「愛称」を募集し、「育休」を「育業」とすることと決定しました。ドイツでは、すでに2001年に、それまでの育児休業という意味の名称から「両親の時間」に変更しており、その結果、男性の取得が以前に比べ3割増えたということです。これは、名称変更が意識の変化を促した成功例であり、意識の変化と制度の充実の両方を目指すことが重要です。
 そこで2点目に、本県でも「育児休業」の独自の愛称を提案してみてはいかがでしょうか、知事の認識を伺います。
 次に、育児休業取得の現状についてみていきますと、「平成29年度仕事と育児の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書」によれば、「男性・正社員」では、「3日以内」の割合がもっとも高く(43.1%)、次いで「4〜7日」(25.8%)となっています。一方、「女性・正社員」では、「7ヶ月〜1年以内」の割合がもっとも高く(39.2%)、次いで「1年〜1年6ヶ月以内」(29.3%)となっていいます。このように、本来は性別に関係なく取得できるはずの育休が現実には女性の取得に偏ったものとなっています。
 また、このことは、少子化や待機児童などの大きな社会問題と強い関連性があることから、男性育休を推進することが、これらの社会問題解決に、大きく貢献すると考えます。
 そこで3点目に、福岡県の男性の育児休業取得に関する目標値、またその取得日数の目標値について企業や県民に広く周知することで、男性が育児休業を取りやすい福岡県を目指して頂きたいと考えますが、知事の見解をお尋ねします。

  次に手話教育と手話通訳者の育成について質問します。 わが会派は4月、久留米聴覚特別支援学校を視察しました。同校は2004年、県内の聴覚特別支援学校に先駆け「言葉の森宣言」を行い、手話を取り入れた教育に取り組んでいます。赴任当時に手話を習得していない教員もいることから、毎月教員向けに手話の研修会を開催し、現在は教員全員が手話を使えるということです。しかし県全体では手話を使える教員は限られています。また、現在久留米聴覚特別支援学校に聴覚障がい当事者の教員は5名勤務しており、当事者としての経験を教育に生かし、活躍されています。そこで1点目に教育長に伺います。県内政令市を除く県域の公立学校における、聴覚障がい当事者の教員数をお示しいただき、聴覚障がい当事者の教員や手話のできる教員を配置する必要性についての教育長の認識をお答えください。また、手話技術を持つ教員の育成について、その取り組みをお答えください。
 次に、手話通訳を担う人材育成について知事に伺います。現在、知事会見や国政選挙の政見放送など、多くの行政活動や地域の活動の際、手話通訳が行われるようになりました。今後は、これまで以上に手話通訳が一般化していくべきですし、その人材も必要となります。現在、福岡県手話の会連合会に登録され県内で活動している手話通訳者は142名おられますが、60歳以上の方が半数を超え、今年の新規登録者はわずかに3名です。そこで知事に伺います。
 本県のこれまで行ってきた手話通訳者育成の取組みについてお答えください。また、手話通訳が一般化することが望まれる一方で通訳の担い手が少なく、かつ減少していく見通しであるこの現状をどう認識しているのか、その原因への認識と共にお答えください。また、育成への新たな取り組みについてもお答えください。