2018年6月定例県議会 報告 その1

2018-09-03

一.概要

 県議会は、6月定例会が6月7日に開会し、6月25日まで19日間の会期で審議が行われました。
 今議会では、予算案の提出はなく、条例11件、専決処分21件、契約7件、人事3件など計23件の議案の提案がありました。
 主な提出条例は、「知事及び副知事の給与の特例に関する条例」、「福岡県税条例等の一部を改正する条例」「地方活力向上地域における福岡県税の不均一課税に関する条例の一部を改正する条例」などです。
 今回の代表質問に先立ち、2か月前から10回の政策審議を行いました。
 代表質問の登壇者は、渡辺美穂議員で、県政推進の基本姿勢について5項目、県土整備行政について2項目、教育行政について2項目、計9項目にわたり、知事並びに教育長に質しました。
 一般質問にはわが会派から8人が登壇しました。
 議会最終日には、23件の議案と、意見書としてわが会派が提出した『規制改革による「ライドシェア」について慎重に議論し、良質で安全なタクシーの適正化・活性化に必要な諸施策を求める意見書』など4本が採択され、わが会派が賛成した『「日米地位協定」の抜本的改正に取り組むことを求める意見書案』については、自民党、公明党、緑友会の反対により否決され、閉会しました。
 わが会派の代表質問の概要と一般質問、本議会の特徴は以下の通りです。

二.代表質問(6月13日 登壇者 渡辺美穂 議員)

代表質問 6月13日(水) 渡辺 美穂 議員(太宰府市)

一、県政推進の基本姿勢について

1.地域公共交通のあり方

① JR九州の大幅減便を伴うダイヤ改正や、西鉄バスの路線再編等の影響について。生活インフラの一部である地域交通を担うJR九州と西鉄の企業としての社会的責任について。
② 「福岡県交通ビジョン2017」の役割について。今回のような大幅減便に全く対応できていない状況について、知事としてどのように考えているのか。ビジョン達成に向けた行程について。

【知事答弁】
① JR九州の今回のダイヤ改正は、沿線住民の日常生活の維持に極めて重大な影響を及ぼすものであり、県では、その見直しを求めてきている。JR九州は、今回の改善要望をしっかり受け止め、ダイヤの見直しに反映させていただきたい。西鉄バスについては、路線再編に伴う影響の把握に努めているところである。
② 交通ビジョンでは、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、交通ネットワークの維持に取り組むこととしているが、具体的なダイヤや路線について規定するものではない。交通ビジョンは、平成33年度までを計画期間として、施策目標の達成に向けた取組みを行うこととしている。

2.国の交付基準における不当な地域区分の是正

① 国庫補助負担金の交付基準に係る地域区分の再調査の結果について。
② 地域区分の是正に係る国への要請について。

【知事答弁】
① 基本額に上乗せされる各種の加算措置について、今年度に入り、直ちに調査した結果、基準に地域区分を採用しているものは、保育所運営費の施設職員を手厚く配置した場合の人件費加算が5件、施設の暖房費などの寒冷地加算が6件の計11件であった。これらは、国家公務員の地域手当や寒冷地手当を基に区分されており、地域区分の差について、いずれも合理性があると判断している。
② 「子どものための教育・保育給付交付金」の減価償却費加算については、これまで、所管の内閣府に対し是正の要求を行ってきている。引き続き見直しを国に要請してまいる。賃借料加算については、今回、地域区分ごとの具体的な加算額の差について精査を行った結果、実勢価格と乖離していることから、実態に即した加算となるよう国に要請してまいる。

3.性的少数者が生きやすい社会づくり

① 性的少数者、いわゆるLGBTの人たちが安心して生きていける社会づくりが先行する、福島県の取組に対する評価。「福岡県総合計画」や「男女共同参画計画」における、LGBTを取り巻く課題の位置付けについて。
② 全国で初めて都道府県として、LGBTを対象とした就労支援を始めた大阪府の取組みに対する評価。LGBTの方が、不当な差別などを受けないための就労支援体制の整備と、企業の意識啓発、それぞれを推進するため、県としてどのように取り組んでいくのか。
③ 「パートナーシップ宣誓制度」の創設と性的少数者が生きやすい社会づくりを推進する条例の制定について。

【知事答弁】
① 「ふくしま男女共同参画プラン」は、性的少数者に関する正しい理解と認識を深めることに寄与するものと考える。本県の「福岡県総合計画」及び「男女共同参画計画」の次期計画の策定に当たっては、課題を整理した上で、性的少数者に対する取組みの位置づけ方について検討してまいる。
② 大阪府の取組みは、先進的なものであると認識している。県では、これまでも、性的少数者を含め、すべての方に等しく人権に配慮した就労支援を行ってきた。また、県内の労働者支援事務所において、働く上で生じた問題に対する相談支援も行っている。今後、相談業務に携わる者を性的少数者に関する研修に参加させ、その理解を深めさせるとともに、周知広報を強化し、性的少数者の方が安心して相談に来ていただけるようにしてまいる。また、昨年度、経済団体や性的少数者の支援団体と協力しセミナーを開催するとともに、配慮すべき事項をまとめたガイドブックを作成した。併せて、今年度から、企業の公正な採用選考の冊子「企業と人権」に、解説と配慮すべき点を追記し、更なる意識啓発を図ることとしている。
③ 県としての独自のパートナーシップ宣誓制度については、市町村との連携や運営方法などの課題があると考える。したがって、すでに実施されている制度の状況を確認するとともにこうした課題について研究してまいる。条例の制定については、国の性的少数者に関する法整備の動向を十分注視した上で、考える必要がある。

4.優生手術に関する実態把握と被害者救済

① 本人の同意を要しない優生手術に対する知事の認識について。
② 本県で行われた、本人の同意を要しない優生手術件数。個人が特定できる記録の保存状況について。
③ 不妊手術を強制された方々への国の謝罪と補償に係る知事の考え。

【知事答弁】
① 当時、国の機関委任事務として、法に基づき実施したこととはいえ、本人の同意を得ずにそのような手術が行われたことは、大変痛ましく、関係者の皆さんのお気持ちを考えると、いたたまれない思いになる。
② 昭和24年以降、県が発行している衛生統計年報、衛生行政の概要に、昭和25年、27年を除き記載があることがわかり、本人の同意を要しない優生手術件数は、364件であった。また、個人が特定できる記録については、昭和55年度、56年度の優生保護審査会の資料6名分のみが、公文書館に保存されている。
③ 本事案については、法律に基づき国の機関委任事務として実施したものであるため、全国統一した対応が必要だと考えている。国では、各都道府県を対象に、保管している資料の実態について全国調査を開始しており、本県においても、真摯に対応しているところである。

5.産業廃棄物問題

① 昨年5月、産業廃棄物の中間処理業者である「エコテック」が、法定保管量の5倍を超えた約2万立方メートルもの野積みされた廃棄物から大規模な火災を起こした事案における、排出事業者責任による廃棄物撤去について。
② 排出事業者責任による廃棄物撤去の今後の対応について。
③ 早期の排出事業者責任追及を視野に入れた監視指導について。

【知事答弁】
① 県では、これまで、エコテックに保管されていた処理委託契約書やマニフェストを精査するとともに、他県から情報収集を行い、改善命令を発出した平成24年5月以降に同社に処理を委託した排出事業者183社を把握したところである。このうち44社は、エコテックが廃棄物の処理をほとんど行っていなかった状況を確認することなく委託を行っており、その結果、大量の廃棄物が未処理のまま事業場に残されることとなった。このため、これらの事業者は、排出事業者としての責任を果たしていないと判断し、撤去を要請することとしたものである。
② 現時点で、撤去の意思を確認できている排出事業者は7社となっており、去る5月30日に、最初の撤去が行われたところである。他の事業者に対しても、関係自治体とともに、個別に訪問し、排出事業者責任を果たすよう強く要請している。要請に応じない場合は、措置命令の発出を検討してまいる。
③ 今後は、不適正処理が疑われる早い段階から、委託契約書やマニフェストなどを徴収し、排出事業者ごとの廃棄物受入状況や処理実態を詳細に把握することによって、早期に排出事業者の責任を追及できるようにしてまいる。