2017年6月定例県議会 報告 その4

2024-02-14

二、代表質問

◎県政推進の基本姿勢について

⑤子どもの貧困対策の指標拡大  (知事に質問)

内閣府が、2年後、新たに8つの指標を大綱に加える方針を明らかにしたが、ただちに本県の子どもの貧困対策推進計画に指標として加えるべき。

県は、「子どもの貧困対策推進計画」を策定し、昨年度から貧困の解消に向け、25の指標を掲げ、生活保護世帯の子どもの高等学校等進学率など4つには数値目標を設定し、取り組んでいる。
 国は、大綱で定めた指標に加え、参考指標として新たに8つの指標を位置付けることとした。県も、国と同様、既存の指標を補完する指標として位置づけたい。
 8つの指標で、県の数値がある4つのうち、朝食欠食児童・生徒の割合は、小学校6年生が全国数値4.5%に対して県数値が6.3%、中学校3年生が全国数値6.6%に対して県数値が7.8%。ひとり親家庭で養育費の取決めをしている割合は、全国数値32.9%に対して県数値が32.1%。この2つの指標は、全国数値より低い水準。

「朝食欠食児童・生徒の割合」「ひとり親家庭で養育費の取り決めしている割合」の2つの指標が全国数値より低い水準。ただちに本県の計画において、数値目標を設定し、指標として取り入れるべき。

国の動向を踏まえ検討する。

国の大綱の見直しを待つことなく、本県の現状を捉えたうえで、本県の計画の見直しを検討するよう強く要請する。

⑥タイ王国総領事館の誘致 (知事に質問)

タイ王国総領事館の誘致に向けた県議会とタイ友好議員連盟の取り組みの評価について。

県議会は、バンコク都議会との友好提携に基づく交流の積み重ねや、人脈を活かし、タイ王国政府に対して様々な働きかけを行ってきた。議長、タイ友好議員連盟をはじめ県議会の皆様に感謝申し上げる。
 県も、これまでタイ王国政府や我が国外務省に対し、様々な形で総領事館設置を働きかけてきた。私も、先週、来日中のソムキット副首相と会い、先月の会談を踏まえ直接要請した。ソムキット副首相から「福岡県に総領事館を設置する方向で、関係省庁での検討と手続きを進めていきたい」との発言。県議会及び県によるこれらの働きかけにより、総領事館の設置に向けて大きく前進した。

EECへの対応を含めたタイとの経済交流の促進について

本県は、これまでもタイの中小企業経営者を招いた県内中小企業とのビジネスマッチングやタイへ中小企業を派遣する経済ミッションに取り組んできた。
 先週、タイ王国ソムキット副首相に会い、EECに関連して日本政府や経済界が現在検討しているタイへのミッション派遣に、福岡県の企業にも参加してほしいとの話があり、日本政府から情報収集しつつ、県内企業に対しミッションへの参加を呼び掛けていく旨お答えし、担当の経済産業省と話をしている。その成果等も踏まえ、本県独自のEECへのミッション派遣についても考える。

◎本県の防災体制の強化について  (知事に質問)

2012年の防災アセスメントから5年が経過し、この間、震度7以上の地震が2度生じた熊本地震、本県3ケ所の主要断層の追加といった状況の変化を踏まえ、改めて防災アセスメントを実施すべき。

大規模地震による被害状況を踏まえ、県は、これまで1997年度、2006年度、2011年度の3回実施。今年2月、国の地震調査研究推進本部が、主要活断層として県内3ヶ所の断層帯を追加指定。県は現在、専門家から意見を聴取する等、その内容について検証を行っている。
 昨年の熊本地震では、震度7の地震が続けて2回発生したが、現時点では国において、こうした大規模地震の連続発生に関する科学的知見に基づく災害想定の考え方が確立されていない。
 今後、追加指定された断層帯に関する検証や、国の防災基本計画における災害想定の考え方の変更により、防災アセスメントの見直しが必要となった場合、速やかに対応する。

熊本地震のどのような教訓をもとに、何に主眼を置いて新たな「福岡県災害時受援計画」を策定するのか。

県は昨年度、庁内にプロジェクトチームを設置、熊本地震の課題を抽出し、その具体的な対応策についてとりまとめた。
 受援に係る主な課題として、以下の点が明らかとなった。

  1. 被災市町村において、受援に必要な業務があらかじめ整理されておらず、支援職員の能力を十分に活用できなかった。
  2. 熊本県では物資集積拠点を1箇所しか指定しておらず、その拠点が被災したため、代替施設の確保に時間を要した。
  3. 物資の荷下ろしや仕分けに係るノウハウや人員が不足し、避難所への物資輸送に支障をきたした。

 県は、こうした課題を踏まえ、現在、「福岡県災害時受援計画」を策定中。策定にあたり、受援に必要な基本的な業務の整理、県内での複数箇所の物資輸送拠点及び県域を越えた広域的な物資輸送拠点の選定、物流事業者のノウハウを活用した搬送方法などをあらかじめ定める。

市町村の受援体制の構築をどのように促進し、市町村との役割分担や連携をどのように図っていくのか。

県は現在、「福岡県災害時受援計画」を策定中、この作業段階からの内容を市町村に提供し、市町村受援計画を策定するよう、市長会総会、副市町村長会議や防災関係課長会議において要請している。
 「福岡県災害時受援計画」策定後は、今年度から2年間、県内4地域で、県、市町村及び物流事業者等と合同で、避難所の状況把握、被害の情報収集・伝達などの受援に関する図上訓練を実施し、受援計画で定めた県と市町村との役割分担や連携を検証し、実行性を高める。

福岡県防災・行政情報通信ネットワーク再整備事業に入札参加業者の一部が、今年2月、談合により排除措置命令の処分があり、県は、この業者に対し指名停止措置を行った。入札再開のめどについて。

当初、昨年7月に工事の入札を公告し、10月に開札する予定だった。しかし、
 本年2月、公正取引委員会から5社に対し、排除措置命令の処分がなされ、県は該当する業者について指名停止措置を行った。その後、本年3月の熊本地震検討プロジェクトチームの検討結果を踏まえ、防災危機管理局の本庁舎3階への移転や設備の拡充など、防災・危機管理体制の一層の強化を図ることとした。
 これに伴い、ネットワーク再整備事業の大幅な設計見直しを行う必要が生じ、入札を中止。現在、設計の見直し中、完了し次第、速やかに入札手続きを開始。
 業者選定は、「総合評価方式」を用いた一般競争入札により行う。業者が、入札参加申込み時点で参加条件を満たしていることを確認し、入札価格及び技術力を総合的に評価し、適正な業者を決定。